- 田中さん
- この黒いのがピオーネ。今年は気温が高かったから生育が早いね。いつもの年ならまったく隙間がないほどそれぞれの粒が大きくなるんだけど、今年は玉が張らないというか、粒が少し小さめかな。
- 田中さん
- それぞれの粒ではなく、房全体の重さだね。畑で収穫するときに「これは300gくらい、これは500gくらい」と大体の重さで分けていき、作業場でそれぞれの等級に合わせて出荷作業をしていく。500gくらいの房をたくさん作れるのが理想だけど、大きくしすぎると粒が黒くならないこともあるんだよね。やはり食味重視で、お客さんに「おいしい」と言ってもらえるものを作っていかないと、と思ってるよ。
- 田中さん
- 最近は6月くらいにたくさん雨が降る。粒に色がついていく時期に雨が多いと、水分を吸いすぎて裂果(果肉が破裂してしまうこと)してしまうことが多いんだよね。裂果しない場合でも水を与えすぎると糖度が下がってしまうから、ギリギリまで水を制限するなど水加減を調整してる。1回目のジベレリン処理まではほとんど水を与えずに、2回目のジベレリン処理が終わったら水をたくさん与えるということもあるかな。
- 田中さん
- ジベレリン処理をしないと種ありぶどうになっちゃうよね。最近のぶどうは種なしになって食べやすくなっているから、種ありになったら消費者の方々から敬遠されてしまうんじゃないかな。ジベレリンに限らず農薬がないと規格通りの品物は作れないだろうから、出荷は安定しないし、生産者の収入も安定しなくなってしまう。糖度が高いぶどうは病気になりやすいので、使用時期や使用方法など、JAの指導どおりに農薬を使いながら、消費者の方々においしいものを届けたいよね。