農薬は安全?

農家への安全対策、使用状況の把握などについて

農薬登録用の毒性試験などのデータは農薬メーカーが実施して揃えると聞きましたが、メーカーのデータは信用できるのでしょうか。

はい。農薬登録用の試験は、国際的に認められた試験方法を用い、国によりGLP※1適合性が確認された試験施設で実施されているので高い信頼性が保証されています。

農薬の登録申請に必要な試験データは、農薬メーカー等が社内外の研究機関で試験を実施して揃えています。

原則として全ての試験は、最新の科学的な方法として国際的に合意された試験方法(OECD 法及び CIPAC法※2)に従っています。

安全性に係わる試験を実施する研究機関は、データの品質と信頼性を確保できる設備機器、人員と組織体制を備えるとともに、試験を適正適切に運用管理できるとの基準(GLP基準)を満たしていることが、農水省など規制当局の定期的な査察を受けて認証されています。また、個々の試験毎に専門部署(QA部門)が計画、経過、生データ、報告内容等をチェックし試験データの信頼性が保証されています。

また、登録審査の過程で、各試験データの正確性、信頼性は独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)で確認され、農林水産省消費・安全局農産安全管理課とFAMICの連名で登録後に作成・公表される審査報告書の中で、申請書の記載事項に虚偽の事実は無いこと、GLP基準を満たしていること(特定試験成績が基準適合試験によること)等が根拠データとともに示されます。

  • ※1:優良試験所規範:Good Laboratory Practice の略で、化学物質等の安全性試験を行う試験施設に対し世界中で相互認証されている監査制度のこと。
  • ※2:OECDは:Organisation for Economic Co-operation and Development(経済協力開発機構)の略で先進37か国が加盟(2020年8月外務省HPより)。貿易障壁の排除活動の一環で人畜毒性や生活環境生物影響等の共通試験ガイドラインやGLP規範も定めている。CIPACはCollaborative International Pesticides Analytical Council Limited(国際農薬分析法協議会)の略で農薬の製剤分析法や物理化学性の試験方法等を定めている国際的な非営利・非政府機関。

(2021年1月)