農薬は安全?

農家への安全対策、使用状況の把握などについて

GAP(農業生産工程管理)とは何ですか。

消費者、農業生産者、環境にとって、「Good」な農業の取組のことをGAP(ギャップ)(Good Agricultural Practice/農業生産工程管理))といいます。

GAPとは?

GAP(Good Agricultural Practice)とは、農業において、食品安全、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の取り組みです。

GAPは、農場内を点検し、食品安全や環境保全や労働安全などの課題や問題点を見つけ、改善していく、PDCAサイクルを回す取り組みです。農薬では、保管庫に鍵を付ける、散布時に保護具を着用する、洗浄した散布機を使用するなど、計画通りに実行していくとともに、その点検と改善を行うことです。

日本のGAP

農業生産者や農業法人などがGAPの活動や取り組みを自ら実施することを「GAPをする」といいますが、これには認証取得の有無は関係ありません。一方、GAP認証とは、第三者機関の審査により、GAPが正しく実施されていることが確認された証明であり、GAP認証を取ると、GAPを実施していることが客観的に証明されます。日本では、JGAP(一般財団法人日本GAP協会)、ASIAGAP(一般財団法人日本GAP協会)、GLOBALG.A.P(FoodPlusGmbH[ドイツ])のGAP認証があります。ASIAGAPは、日本発のGAP認証で、2018年10月にGFSI(世界食品安全イニシアティブ)の承認を得て国際基準として認められました。この3つのGAPの構成要素は、①食品安全、②環境保全、③労働安全、④人権保護、⑤農場経営管理の5つの分野です。

また、農林水産省のガイドラインに準拠して都道府県やJAグループでつくっている都道府県GAPやJAグループGAPなどもあります。

GAPを導入すると・・・

GAPに取り組むことで、わたしたちが口にする食品の安全や、自然環境の保全、農業生産者の労働安全や人権の保護に配慮し、将来的に持続可能な農産物の供給の実現につながります。また、GAPは、環境に優しい方法で栽培され、安心安全な農産物であることを消費者へ伝える訴求力になるとともに、労働環境が良いことをアピールできることから、農業生産者や農業法人などの人材の安定確保につながります。

GAPは、2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会における食材調達基準の要件に採用されたことから広く注目されるようになりました。また、GFSI承認認証規格が農産物を輸出する際の取引条件となりつつあります。そのため、インバウンド需要や輸出の拡大に向けて、日本の農産物が安全で高品質であることをアピールするためにも国際水準のGAPの認証取得は大切になります。
農林水産省では、GAP認証農産物を取り扱う事業者をGAPパートナーとしてホームページに掲載しています。

参考文献
*農林水産省ホームページ:農業生産工程管理(GAP)に関する情報
https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/gap/index.html

(2023年2月)