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農薬はどうして効くの?

農薬の種類や成分、製造方法、
農薬が効く科学的な仕組みなどについて

製剤や剤型とはどのようなものですか。

製品としての農薬は、取扱いやすく均一に散布できて防除効果を十分に発揮させるため、有効成分に増量剤や補助剤を加えたり、有効成分に溶剤を混ぜたりしてさまざまな形状の製品に仕上げられています。これを(農薬)製剤といいます。そして、粉剤、粒剤といった製剤の形態を「剤型」といいます。

効成分はごく微量で効果を発揮します。そのような微量のものを広い水田や畑に均一に散布することはできませんので、増量剤等を混合してかさを増やすことで散布しやすくします。また、品質を維持するため、有効成分の分解を抑える成分を加えるなどの工夫がされています。

最近は製剤技術の進歩により、用途に応じた剤型や働きをもたせることができるようになりました。扱いやすくしたり品質を維持したりするだけではなく、人や環境への影響を少なくしたり、省力化や省資源化にも役立つ製剤が開発されています。

製剤化の主な目的は次の五つになります。

  1. 農薬を使いやすい形にする
  2. 農薬の効力を最大限に発揮させる
  3. 使用者への安全性を高め、環境への影響を抑える
  4. 作業性を改善し、省力化する
  5. 剤型を工夫し、既存の有効成分の用途を拡大する

国内で使用している剤型は、粉剤、粒剤、粉粒剤、粉末、水和剤(フロアブルを含む)、水溶剤、乳剤、液剤、油剤、エアゾル、マイクロカプセル剤、ペースト剤の12種と、特殊な使用方法および用途のくん煙剤、くん蒸剤、塗布剤の3種、およびいずれの剤型にも該当しない剤(ジャンボ剤、豆つぶ剤など)の合計16種類があります。

なお、各剤型については、以下のリンクをご参照ください。「農薬製剤の剤型~国際的な分類について~」
http://jppa.or.jp/archive/pdf/70_06_59.pdf

参考文献
*日本植物防疫協会『農薬概説』
*日本農薬学会 農薬製剤・施用法研究会編『農薬製剤ガイド』1997日本植物防疫協会
*独立行政法人農林水産消費安全技術センター『農薬製剤の剤型~国際的な分類について~』植物防疫 第70巻 第6号(2016)

(2022年3月)