たわわに実ったみかんの木をあちこちで目にする清水。
「じゃ、行こうか」と案内された伏見さんの畑は、富士山より急かもしれない(?)斜面!
みかん畑の横をサッサと身軽に登る伏見さんについていくので精いっぱいです。
- 伏見さん
- そう、この急斜面だからおいしいみかんができるんですよ。ほかの果物でこの環境は厳しいだろうけどね。
- 伏見さん
- みかんは温度差のある土地ほどおいしくなると言われてますね。昔からみかんの名産地は海に面した山の斜面が多いので、寒暖の差が大きいこと、太陽や海の照り返しなどの日当りも影響してるんでしょうね。あと、斜面だと水はけがいいでしょ?みかんの栽培は水分調節が重要なんですよ。水が溜まる土地だと余分な水分が入りすぎて味が薄くなるし、皮と実の間に空気が入ったような浮き皮になってしまいますし。
- 伏見さん
- ほんとに、夏の薬剤散布が大変でねぇ。ただでさえ暑いのに、日が当たる中で通気性の悪いカッパを着て背中に農薬が入った散布器具を背負って…。若いころに夏場の薬剤散布をサボったら害虫や病気が発生して大変な目に遭ったので、もうサボったりはしませんけどね!
- 伏見さん
- サビダニやミカンハダニなどのダニのほか、黒点病、かいよう病などですね。実で発見しても手遅れなんですよ。しかも夏に雨が少ないと大量発生する可能性もありますから、夏前から暑い時期にかけてが散布のメインです。
- 伏見さん
- うーん、全部困るけど(笑)、カイガラムシかな。成長すると体内に膜ができて農薬が効かなくなり、駆除できないんですよね。カイガラムシは栄養を吸ってしまうのでみかんが育たなくなるし、表面に黒いすすがついたようになるすす病の間接的な原因にもなります。やられるともう売り物にならなくなるのでね…。カイガラムシが成虫になる春先が勝負で、年に3回ほど農薬を散布しています。でも今年は虫も少なかったし、みかんもおいしく育ちましたよ。ほら、どうぞ。
- 伏見さん
- いや、静岡には採れたてよりもみかんを甘くおいしくする技術があるんですよ。