農薬をご使用になる方へ

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コミュニケーション

<第10回>購入から廃棄まで(掲載2005年1月)

さらなる適正使用に向けて

 農薬工業会は農薬の適正使用の推進には使用者である農家の皆さんのニーズや意識を十分理解し、それに応えられる情報を提供していくことが重要と考えています。2003年3月の改正農薬取締法の施行以降も、農家の皆さんを対象とした研修会で直接意見をきいたり、アンケート調査を実施しています。

 これまでのアンケート調査結果などを参考に、特に農薬の安全で適正な使用の観点から、使用者の方に、より周知徹底して頂きたい点を述べてみたいと思います。

 まず、1番目に、登録農薬と無登録農薬の識別です。登録のある農薬のラベルには、必ず「農林水産省登録第○○○○○号」と記載されています。2003年3月以降、登録の無い農薬の使用や、使用基準違反には使用者に罰則が適用されることになりました。アンケート結果でも登録農薬の識別は格段に良くなりましたが、最も基本的な事項ですのであらためて触れました。

 2番目が保護具の着用です。現在は、昔と比べて毒性の強い農薬は少なくなっていますし、農薬散布時の事故例も限られてきています。それでも現在使用されている農薬のうち、毒物に該当する農薬は2%程度、4分の1近くは劇物の農薬です。農薬を取扱う時には、ラベルの注意事項をよく読んで、適切な保護具(マスク、めがね、防除衣など)の着用が必要です。アンケート結果でも、つい保護具の着用がおろそかになるようです。この農薬は毒物や劇物ではないから、使い慣れた農薬だから大丈夫、着用がめんどうだから、などと考えず、たとえ毒性の弱い農薬であっても、農薬の無用な暴露を防止するのが農業生産のプロたる農家に求められていることです。

 3番目が農薬の適正な保管です。アンケート結果でもほとんどの農家の方は専用の保管場所があるようです。しかし、農薬は農薬取締法以外の法律でも規制されていることを忘れがちです。毒物や劇物は鍵を掛けて保管することが毒劇法で義務付けられています。農薬は専用の保管場所を設け、鍵を掛けて保管し、また、除草剤は他の農薬と分けて整理するなど、誤飲や誤用、盗難の防止に努める必要があります。

 最後が農薬空容器の処分です。農家からの農薬空容器や農業資材の廃材は、廃掃法で産業廃棄物として扱われます。自分で焼却することは法律で禁止されていますので、専門の業者に適切に廃棄を依頼する必要があります。また、農薬の散布時には必要量を十分把握して散布液を調製し、散布液が余らないようにし、農薬容器の洗浄液は散布液調製に使用するなど、農薬を河川などの水系に流入させない配慮が必要です。

毒劇法:毒物及び劇物取締法
農薬ラベルに、毒物は赤地に白で医薬用外毒物、劇物は白地に赤で医薬用外劇物と表示されています。

廃掃法:廃棄物の処理及び清掃に関する法律

(農薬工業会安全対策委員会事務局 花井正博)