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コミュニケーション

<第19回>電話相談の質問から(掲載2005年10月)

同じ農薬でも作物ごとに使用時期が違うのは?

農薬電話相談でよく受ける質問があります。今回は主な質問と答を紹介しましょう。

  • Q

    『同じ農薬で、使用時期がトマトやナスは収穫前日まで、大根は21日前までと違うのはなぜ?』

  • A

    この日数を農薬が残留する日数と思われる方もいますが、残留とか残効日数を示すものではありません。使用時期は、残留農薬基準値(残留が許容される農薬の濃度)を基に、これを超えないように決められたものです。この農薬は、トマトやナスと大根では、作物の形態や可食部分が異なり、また基準値も異なるため、使用時期が違うことになります。

 農薬の残留データは、農薬を登録する際に必要で、作物別に時期を変えて農薬を使用し、収穫時に残留の程度を調べます。適用作物に対する残留量の合計値が、毒性試験から設定される一日当り摂取許容量(ADI)以内に余裕をもって収まれば問題ありませんが、超える場合は、収穫期近くで使うことの少ない作物は、その14日前とか21日前の残留が少ない時期の値を採用します。トマトなど果菜類や一部の葉菜類は収穫期間中でも防除が必要なため、収穫前日使用での値を採用して、使用者が困らないようにします。このように各作物の使用時期別の残留値をみて、その農薬の安全性を検討します。このような事情で使用時期が農作物ごとに異なることになります。

 残留農薬基準値は、上記の作物残留試験の結果を参考にして、その農薬の一日摂取許容量(ADI)の80%以下となるよう農産物ごとに割り振り、国際基準や海外緒国との調整(WTO通告など)をはかり、厚生労働大臣が決定・公布します。

  • Q

    『農薬散布後に降雨があった。再散布は必要か?』、『散布を予定したが雨で中止した。溶かした農薬はどのくらいもつか?』

  • A

    降雨装置を用いた耐雨性試験もありますが、ご質問の降雨状態が試験と必ずしも同じでないために断定できません。一般論ですが、散布液が乾くか、約半日後の降雨では、土砂降りでない限り防除効果の低下は見られません。再散布の必要性は、数日後に様子を見てご判断ください。

 農薬の調製液は、分解を抑えるため直射日光が当らないようシートで覆い、涼しい場所に置いてください。最も分解の早いとされる農薬でも24時間以内は変化が見らないことを判明しています。二,三日以内に使用した方がよいでしょう。また、調製液は攪拌してから使用してください。

  • Q

    『使用しなかった農薬の処分は、どうすれば良いか?』

  • A

    有効期限内の農薬は、可能ならば使い道を探し使うようにしてください。農薬をゴミ箱に出したり不法投棄はできませんので、料金はかかりますが処理専門の業者に委託してください。処理業者のリストは緑の安全推進協会にあります。地域で共同回収をしている場合がありますから、JAなどに問い合わせ、その指示に従ってください。

 農薬への疑問や質問への回答は、「みんなの農薬情報館」 http://www.jcpa.or.jp にも公開されています。また、農薬電話相談(平日9時~17時まで)を応じています。

電話番号は 03-5209-2512 です。

((社)緑の安全推進協会 農薬安全相談室長 千野義彦)