農薬は安全?

農家への安全対策、使用状況の把握などについて

胎児期から離乳までの神経への影響を見る発達神経毒性試験が欧米では実施されているのに日本では実施されていないと聞きましたが本当ですか。

いいえ。日本でも神経毒性や繁殖毒性試験の結果により、発達神経毒性試験を行って発達期の仔動物における神経毒性を評価することとなっています。

発達神経毒性は、2007年にOECDの試験ガイドラインに採用された新しい試験です。欧米でも必須の試験ではなく、必要に応じて評価が行われます。日本では2019年6月28日に農薬登録のための試験要求項目が改定され、「神経毒性や繁殖毒性等の他の毒性試験の結果から投与に関連する神経学的影響が認められ、発達期の神経毒性を確認する必要がある場合は発達神経毒性試験成績の提出を要する」との条件付き要求項目として明記されました。すでに登録のある農薬についても、順次安全性の見直しが行われ、必要に応じて発達神経毒性の評価が行われることとなっています。

参考文献
*農薬の登録申請において提出すべき資料について
(平成31年3月29日付け30消安第6278号農林水産省消費・安全局長通知)

(2021年1月)