農薬は安全?

農家への安全対策、使用状況の把握などについて

新生児の尿から農薬やその代謝物が検出されたと聞きました。これらは母親の胎内にいる時に取り込まれたものと思いますが、影響はありますか。

いいえ。新生児の尿から農薬やその代謝物が検出されることはありますが、新生児および胎児への悪影響は無いと考えられます。

分析技術の進歩から極めて低い濃度の化学物質の検出が可能となっており、ヒトを含め動物の体組織や尿等にごく微量の農薬やその代謝物が検出されることがあります。

農薬は、親動物(雌雄)から孫の代までの影響を調査する繁殖毒性試験や催奇形性を確認する発生毒性試験を含む種々の毒性試験を実施し、胎児を含めてヒトに影響が出ない基準量である許容一日摂取量(ADI:ヒトが一生涯毎日摂取しても影響がでない量)や急性参照用量(ARfD:短期間に多量に摂取しても影響の出ない量)が設定されています。

また、農薬はそれらの基準量を上回ることのないように定められた使用量や方法で使用されます。従って、たとえ残留農薬やその分解物が尿から検出されたとしても、ヒトに健康被害が発生する可能性は非常に低いと考えられます。

(2021年1月)