そのまま食べても大丈夫?

残留農薬や食品における安全基準などについて

海外の残留基準値よりも日本の残留基準値のほうが高く設定されている場合がありますが、海外の基準値を参考にすべきでしょうか。

いいえ。農薬残留基準値が国によって異なるのは、各国の農業事情や食生活の違いなどによるものです。

残留農薬の基準の設定に当たっては、食品安全委員会が農薬の有効成分ごとに、ADI(許容一日摂取量)と、ARfD(急性参照用量)を設定した上で、農薬等として使用される有効成分の推定摂取量が、このADI及びARfDを超えないよう、食品ごとに基準値が設定されています。

残留農薬の基準を個別に比較した場合、日本と諸外国との気候風土(高温多湿等)や害虫の種類が異なること、農薬の使用方法や検査する部位が異なる(玄米と籾米など)ことなどから、国や地域によって基準値が異なる場合があります。そのため、残留農薬の基準値だけをみると、日本の基準が大きい場合もあれば、諸外国または国際基準の方が大きい場合もあります。

重要なことは、総農薬摂取量等がADIやARfDを超えないことであり、個々の食品の残留農薬基準の大小で、その国の食の安全政策に優劣が付くものではありません。

食品安全委員会、ADI及びARfDについては、以下のQ&A集のリンクを参照ください。

https://www.jcpa.or.jp/qa/a5_10.html

https://www.jcpa.or.jp/qa/a6_26.html

(2021年1月)