そのまま食べても大丈夫?

残留農薬や食品における安全基準などについて

特別栽培農産物とは、どのようなものですか。

農林水産省の表示ガイドラインに、「その農産物が生産された地域で慣行的に行われている節減対象農薬と化学肥料の使用状況に対して、節減対象農薬の使用回数が5割以下であり、かつ、化学肥料の使用量が窒素成分量で5割以下」の農産物を「特別栽培農産物」として表示されます。

慣行栽培より農薬や肥料を減らしたものは『特別栽培農産物』に

農林水産省の以前の「有機農産物及び特別栽培農産物に係るガイドライン」では「減農薬栽培農産物」、「減化学肥料栽培農産物」、「無農薬栽培農産物」、「無化学肥料栽培農産物」という表示がありました。これは、慣行栽培レベルより化学肥料や化学合成農薬を減らした農産物に許される表示でした。しかし、消費者から「無農薬栽培農産物」と、より厳しい栽培がおこなわれている「有機栽培農産物」とを混同しやすいなど、といった批判があり、2003年5月に無農薬栽培農産物など細かい区分をやめ、「特別栽培農産物」というひとくくりの名称にするなどの改正がおこなわれ、2004年4月から施行されました。

2003年の改正では、ガイドラインの適用される農産物は環境保全型農業を一層すすめる観点から、「特別栽培農産物」を(1)化学的に合成された農薬および肥料の使用を低減し、(2)土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させ、(3)農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した、栽培方法を採用し、化学合成農薬の使用回数と化学肥料の使用量の両方を慣行レベルの5割以下とした栽培方法により生産された農産物と定義しています(それまではどちらか片方だけでも要件をみたせば、その旨の表示が許されていました)。さらに、2007年3月には、節減対象とする化学合成農薬から有機農産物のJAS規格で使用可能な農薬を除外するなどの改正が行われ2007年4月から施行されています。

現在の特別栽培農産物の満たさなければならない基準は、以下の2点です。

  1. 当該農産物の生産過程等における節減対象農薬の使用回数が、慣行レベルの5割以下であること。

  2. 当該農産物の生産過程等において使用される化学肥料の窒素成分量が、慣行レベルの5割以下であること。

表示の方法としては、「特別栽培農産物」という文字と共に、化学合成農薬や化学肥料を使用していないとか、減らした場合はその削減割合を表示して、消費者の商品選択の助けにすることになっています。農薬を全く使用しない場合は「農薬:栽培期間中不使用」、節減対象でない農薬を使用した場合は「節減対象農薬:栽培期間中不使用」、化学肥料の使用量を削減した場合は「化学肥料(窒素分):当地比○割減」などと表示されます。

表示の例
参考文献
*農林水産省>消費・安全>食品表示とJAS規格>JAS規格について>有機食品の検査認証制度>特別栽培農産物に係る表示ガイドライン
http://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/tokusai_a.html
「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン(平成19年3月23日改正)」
「特別栽培農産物に係る表示ガイドラインパンフレット」
「特別栽培農産物に係る表示ガイドラインQ&A」

(2017年3月)