農薬工業会ニュース

総会後の記者発表(2024年度)
-事業計画などを説明-

総会・講演会(5/15)終了後、鉄鋼会館において新執行部(小澤会長、的場副会長、藤本副会長、岩田副会長、松浦専務理事)による記者発表を行った。小澤会長は、「先程の総会後の臨時理事会で執行部が選任され、いずれも留任となった。本年度は、定款の一部改正が議決され、新ビジョンを策定した。さらに、その内容に沿って当会の目的・事業を見直すとともに、グローバルな潮流を踏まえて、団体名を「農薬工業会」から「クロップライフジャパン」に変更した。小澤会長は、「新たなビジョンに沿って、日本及び世界の食料安全保障、持続可能な農業への貢献、環境にやさしいイノベーションの推進、安全の先になる安心な食生活を楽しめる社会の実現に向けた取組みを進める。さまざまな課題に対し、クロップライフジャパンとして積極的な発信を行っていく。」と抱負を語った。2024年度における事業計画は以下の通り。

写真 正面左から廣岡事務局長、松浦専務理事、藤本副会長、小澤会長、的場副会長、岩田副会長

写真 正面左から廣岡事務局長、松浦専務理事、
藤本副会長、小澤会長、的場副会長、岩田副会長

2024年度事業計画

I.2024年度事業方針

国内では食料・農業・農村基本法改正案等が国会に提出され、食料安全保障の強化、持続可能な農業への変革が求められている。グローバルにはロシアのウクライナ侵攻等を発端とした食料安定供給リスクの顕在化、カーボンニュートラルの取り組みが進む。食料・農業をめぐる情勢の変化、会員の事業活動の拡大を踏まえ、日本と世界の食と農業へ貢献するため、新たなビジョンに沿って日本と世界の食料安全保障、持続可能な農業への貢献、環境にやさしいイノベーションの推進、安全の先にある安心な食生活を楽しめる社会の実現に向けた取組みを進める。

  1. 日本の農業生産性向上と農産物の輸出拡大、世界の農産物需要に対応した作物保護技術を提供する
  2. 環境を守るための技術革新とカーボンニュートラルに取組む
  3. 社会の信頼を確保するため、適正な農薬使用の推進と科学的な情報を発信する
  4. 人材の育成、資質向上に努める

II.重点事業計画

  1. 日本の農業生産性向上と農産物の輸出拡大、世界の農産物需要に対応した作物保護技術を提供する
    • ①食料安全保障のため、農薬を含めた作物保護の視点から食料安定生産に寄与する安全かつ有効なソリューション技術の提供に努める。 
    • ②スマート農業、総合防除の推進のため、関係機関・団体と連携し技術情報の共有化を進める。
    • ③総合防除の推進に役立てるため、J FRAC、J IRAC 、J HRACによる薬剤抵抗性管理活動を推進する。
    • ④諸外国の制度・農業環境等の最新情報の調査と会員内の情報共有化を進める。
  2. 環境を守るための技術革新とカーボンニュートラルに取組む
    • ①研究開発から製造、輸送、販売、使用そして廃棄に至る、すべての段階において、環境・安全そして健康面の改善に必要な活動を実施する。
    • ②製造・調達における環境負荷低減のために、最新情報の調査と会員内の情報共有化を進める。
    • ③物流の効率化、返品・廃棄ロス削減のために、関係団体・流通等との連携について検討する。
  3. 社会の信頼を確保するため、適正な農薬使用の推進と科学的な情報を発信する
    • ①農薬の安全性の向上を目指す諸制度に適切に対応するため、安全性確保と合理性を前提として、農業現場への負の影響及び農薬業界の負担を最小化すべく、農薬取締法等農薬規制(再評価制度等)に関する諸課題に的確に取組む。
    • ②リスク管理された安全な農作物の生産に寄与するため、スチュワードシップ活動、自主基準等の遵守、講師派遣事業を通じて適正使用に関する情報を提供する。
    • ③科学・情報リテラシーの向上を目指し、当会HPの充実、SNSを用いた情報発信などにより、作物保護に関する科学的な情報について消費者をはじめ幅広いステークホルダーと共有する。
    • ④報道の正確性や中立性の確保につなげるため、新聞、雑誌等のファクトチェックを行い、偏った報道に対し、正確な情報提供を行う。
  4. 人材の育成、資質向上に努める 
    • ①作物保護関連学会大会におけるセミナーの提供等により、教育、研究機関、学会との幅広い交流を進める。
    • ②作物保護に関する勉強会、委員会主催の説明会・講演会などを通じて幅広い新技術・制度の情報を共有する。
    • ③グローバルな人材育成のため、クロップライフ関連団体との情報交換、日韓台姉妹会、ICAMA技術交流会などを通じて、関連団体・機関との交流を進める。