農薬工業会について

ニュースリリース

2020年賀詞交歓会を開催

 2020年賀詞交歓会を1月7日(火)12時半から、東京・千代田区大手町の経団連会館で開催した。出席者は会員各社の他、農林水産省などの関係省庁、(独)農林水産消費安全技術センター、農薬学会、関係団体、報道関係者など約370名となり、新年の抱負などが語りあわれた。冒頭、小池会長から挨拶があり、続いて来賓を代表し、農林水産省消費・安全局長の新井様から祝辞が寄せられた。

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◆小池会長の挨拶

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 新年明けましておめでとうございます。皆様には、ご家族ともどもお健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 世界の農薬業界は、2018年は5.6%の増加、2019年も上昇傾向が見込まれています。背景には、南米農薬市場の復活に加えてアジアの伸びが要因とされています。一方、国内に目を向けますと、昨年の水稲の作況指数は、全国平均99と「平年並み」となりましたが、地域によっては7月上中旬の低温・日照不足、あるいはウンカ等病害虫の影響により平年を下回るところもありました。このような状況で、農薬総出荷額は水稲及び果樹分野が減少しましたが、野菜畑作分野及びその他使用分野の除草剤の伸びにより前年比微増の100.9%となりました。昨年10月には、相次ぐ台風の災害により甚大な被害が各地で発生しました。各地で復旧に向けた取り組みが鋭意続けられておりますが、一刻も早く復旧され、営農が再開されますことを心よりお祈り申し上げます。

 農薬行政では、一昨年の農薬取締法の改正により、2021年4月からいよいよ再評価制度が開始されます。また、2020年4月から農薬の安全性に関する審査の充実として新しい影響評価法が採用されます。農薬使用者及び蜜蜂に対する影響評価では、新評価法により、農業現場に提供される農薬にどのような影響がでるかは不透明なところがあります。農薬工業会といたしましては、関係府省と引き続き意見交換を行い、農薬の安全性を一層確保することを前提に、防除に有効な農薬が農家に適切に提供されるための取組を進めていく所存です。

 さて、世界人口は今後も増加すると推計されており、グローバルに食料需要の拡大傾向が続いています。一方、耕作地面積は、ここ数十年ほとんど増加しておらず、新技術の導入、優良な種子、かんがい設備の充実、肥料・農薬の適切な使用により、農業の生産性、すなわち単位面積当たりの収量を上げることにより食料需要を支えてきています。国連食糧農業機関FAOは、このほど「国際植物防疫年2020」の開始を宣言しました。世界を見れば、食用作物の最大40%が植物病害虫によって失われ、何百万人もの人々が飢餓に直面しているため、植物防疫を促進するための政策と行動を行うことを呼びかけています。

 一方、日本では、食料の国内需要は減少が進み、国内農業の持続的発展に向け、世界需要も視野に入れた農業生産への移行が目標とされています。そのような国内外の食料需給状況のなかで、日本では、農業経営体数の減少、後継者不足、さらには耕作放棄地の拡大が懸念され、農業生産基盤の弱体化への対策が喫緊の課題となってきています。昨年12月に、政府は、農業生産基盤プログラムを決定しました。プログラムは11本の柱で構成されており、より一層の輸出拡大、スマート農業の現場実装、中山間地域の基盤整備と活性化などがポイントとして挙げられています。このプログラムが成果に結びつき、懸念事項が解決されることを期待しています。

 このような背景のもと、当会では、農薬業界として日本の農業に貢献できることは何かを考え、2013年に「JCPA VISION 2025」を策定しました。その後、2015年国連で採択された「持続可能な開発目標SDGs」とも関連づけてビジョン活動を推進しています。ここで、その中の二つについて紹介いたします。

 一つ目はハード面の支援として、国内農産物の安定生産に寄与できる農薬を今後も提供していくことです。これまでも、農業生産性の向上のために、除草作業の大幅軽減を実現した除草剤、低毒性薬剤、また、航空散布に対応した薬剤や水稲の育苗箱施用剤など、機械化、省力化技術で貢献してきています。直近では、新たな技術革新で期待が高まるスマート農業を重点課題と捉え、安全優先の視点を忘れずドローン散布に対応した新規製剤の開発、さらには現場ニーズに応えた製剤や散布技術の開発などに取組んでまいります。

 二つ目はソフト面の支援として、生産基盤を支える後継者となる方々に、食料生産の重要性と農薬の適正使用などの正しい知識を提供していくことです。当会ホームページを充実し、農薬を使用する方々への情報として「農薬の正しい使い方」や「食料生産の重要性と農薬の役割」の動画を閲覧できるようにし、要望があればDVDを提供しています。新規就農者向けの研修会等で利用されていると聞いています。その他、農薬の安全性や適正使用などに関する講師派遣事業、直売所生産者向けのセミナー開催、さらには2019年度から当会支部会員が都道府県のJA巡回を行い、直接面談方式で先に紹介した動画や農薬安全使用リーフレットなどを説明し、農家の方々への啓発活動に役立ていただけるように取り組んでいます。その他にも、作物保護技術のイノベーションとして、農薬開発、生物農薬、製剤、診断アプリなどの動画を閲覧できるようにしていますので、当会ホームページを是非ご覧ください。

 これらの当会活動により、農業に従事する方々が魅力を感じて農業の将来への希望を持っていただければ幸いと考えています。

 最後になりましたが、本日ご参加いただきました各団体、会員各社の益々のご発展と、ここにご列席の皆様方のご健勝、ご活躍をお祈り申し上げますとともに、新しい年が明るく充実した年となりますよう祈念いたし、新年の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。