一般向け

農薬ゼミ

知ってるようで知らない、農薬の話。(神戸)

講座プログラム

開催日時

:2017年10月21日(土) 13:00~15:30

第一部

:「農薬とは何か?」
(解説者:宮川 恒 先生)

第二部

:「農薬の安全性」
(解説者:眞鍋 昇 先生)

参加者

:201名

今回のお話は、この方たちと。

  • 宮川 恒 先生の写真

    【パネリスト】
    京都大学農薬研究科教授
    農学博士
    宮川 恒 先生

  • 眞鍋 昇 先生の写真

    【パネリスト】
    大阪国際大学学長補佐教授
    日本学術会議会員
    東京大学名誉教授 農学博士
    眞鍋 昇 先生

  • 前澤 昌宏 さんの写真

    【生産者】
    JA兵庫六甲
    稲作協議会 会長
    前澤 昌宏 さん

  • アリストンホテル神戸 16F「バルセロナ」

    【会場】
    アリストンホテル神戸
    16F「バルセロナ」

【司会】 フリーアナウンサー 松田 朋恵 さん

  • 質疑
    応答
  • 参加者
    の感想

こんな質問がありました

Qりんごを皮ごと食べたいのですが、どのように洗えばよいのでしょうか? 
<60代男性>

A

宮川先生の写真(小)

宮川先生

りんごは皮ごと食べても問題ありません。残留農薬の検査は、皮がついたまま行いますし、検査で農薬が検出されることは実質的にありません。もし検出されたとしても基準値以下です。ホコリなどを落とすために水洗いをして皮ごと食べていただければと思います。りんごの表面がツルツルしているのは、農薬が付着しているからだとおっしゃる方がいらっしゃいますが、正しくありません。りんごが本来もっている乾燥しないための潤い成分です。

Q日本の残留基準はヨーロッパに比べ非常に甘いと聞きましたが、実際はどうでしょうか? 
<50代女性>

A

眞鍋先生の写真(小)

眞鍋先生

そのようなことはありません。各国で食習慣には違いがあり、消費される作物の量も異なりますので、それぞれの状況に合わせた基準値が設定されています。基準値は人が一生涯にわたって毎日摂取しても影響がない上限量というものから算出されており、設定方法は世界共通です。

Q昔、農家の人が水田の1ヵ所だけは農薬を撒かず、自分の食べる米を作っているという話を聞きましたが、現在の農家でもありますか? 
<60代男性>

A

前澤さんの写真(小)

前澤さん

まったくないと思います。農薬の安全性を知っていただけば、そういう認識はなくなると思います。確かにたまに無農薬でやられている方はいますが、それは過敏すぎる方で、農家が自分たちの食べるものだけ農薬を使わずに作るというのは、根拠のない噂だと思います。

Q息子がサラリーマンをやめ、淡路島で農業を始めました。無農薬で玉ねぎや自然薯の栽培に取り組んでおり、除草剤を使用しないため草取りが大変だとこぼしています。
無農薬にこだわる必要があるのでしょうか? 
<60代女性>

A

宮川先生の写真(小)

宮川先生

無農薬で野菜を作るのは生産者のスタンスですから構わないと思いますが、農薬を適正に使って栽培していただければ収穫物に何ら問題はなく、特に無農薬にこだわる必要はないと思います。炎天下での草取りは熱中症の心配もあり辛い作業です。農薬(除草剤)を使えばその辛さを解消できると思います。

Q除草剤は農薬と認識していますが、作物や人体への影響が心配です。除草効果や土壌への影響は何年くらいでなくなりますか? 
<60代女性>

A

眞鍋先生の写真(小)

眞鍋先生

農薬は散布されると、さまざまな経路を経てその大部分が地上に落下します。地表面に落下した農薬は土壌表面では太陽光などにより分解され、土壌中では微生物の作用などにより一定期間で分解されていきます。農薬登録にあたっては、土壌中における農薬の半減期(土壌における最高濃度が半分にまで消失する期間)を算出しています。この半減期が180日を超える農薬については原則として登録されませんので、土壌中に長期間にわたって残ることはありません。

参加者の感想

神経質になっていたが、さほど気にしなくてもよいことを知り安心しました。なんでも「バランス」が大事ということもよくわかりました。
(女性、40代、専業主婦)

いろいろな情報を聞くことができました。ありがとうございました。
(女性、40代、パート/アルバイト)

すべての使用者が農薬を適正に使用しているかどうか疑問に思っていました。昔のイメージが残っていました。今は改善されて安全なことがわかりました。ありがとうございました。
(女性、専業主婦)

大変勉強になりました。農薬はぜったいダメと思っていましたが、認識が変わりました。
(女性、60歳以上、パート/アルバイト)

スーパーで野菜を買うだけなので、農薬の役割を知らずにいたと思います。この年になると、安全第一です。とってもわかりやすいゼミでした。
(女性、60歳以上、無職)

目からうろこでした。とてもわかりやすくて、本当に良かったです。
(女性、60歳以上、専業主婦)

勉強になりました。子供や孫と一緒に、食べ物の安全について考えていきたいです。
(女性、50代、専業主婦)

私の実家は以前農業をしていたので、農薬の必要性はわかっているつもりです。無農薬はあくまで理想ではないでしょうか。農薬の研究開発がこんなに進んでいるのか、と理解できるよい機会でした。
(女性、60歳以上、専業主婦)

農薬はこわいものと無農薬にこだわって野菜作りをしていたので大変でしたが、農薬を適切に使いながら楽しみたいと思います。
(女性、60歳以上、専業主婦)

農薬嫌いの人を交えて議論するのも面白いと思いました。進行も良く非常にわかりやすかったです。
(男性、40代、会社員/公務員)

普段あまり気にしていなかったテーマですが、興味深かったです。
(女性、20代、会社員/公務員)

今回のお土産

今回のおみやげ 「三田米(さんだまい)のセット」

よくある質問

農薬工業会では、消費者の皆さんに農薬のことを理解してもらうため「農薬ゼミ」などを開催しています。
そこでは毎回様々な質問が寄せられています。その中から、「よくある質問」についてお答えします。