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耐性菌リスク低減対策

殺菌剤耐性菌発生リスクを低減するために

耐性菌増殖のイメージ(Japan FRAC)

同じ作用の殺菌剤に繰り返してさらされると耐性菌が増殖しやすくなります。病原菌は生育に好適な条件においては急速に蔓延するので、殺菌剤の防除効果が急に低下して、作物の収量や品質に影響します。異なる作用の殺菌剤とローテーション散布すると、耐性菌の密度を低下させることができます。

耐性菌発生遅延化のための対策

耐性菌対策に切り札はなく、普段から多様な対策を実施する必要があります。

  1. 特定の系統の殺菌剤を連用するのは絶対にやめましょう。
    防除効果が高いからといって同じ殺菌剤を連用すると耐性菌が発生しやすくなります。複数の系統でローテーションを組むようにしてください。農薬名が違っても同系統の殺菌剤があります。FRACコード表を参照して、同系統の殺菌剤を連続散布しないようにしてください。
  2. ローテーションに、混合剤や低リスク殺菌剤を導入しましょう。
    混合剤は異なる系統の殺菌剤を配合しているため耐性菌が発生しにくくなります。FRACコード表を参照して、耐性菌発生リスクが低い殺菌剤も活用してください。
  3. 登録濃度・散布量を守りましょう。
    薬剤の効果が最大限に発揮できるように、ラベルの内容に従い登録濃度や散布水量を守って、付着ムラが生じないように散布してください。
  4. 予防散布を心がけましょう。
    殺菌剤は、初発前~初発時に予防的に使用することが最も効果的です。初発を的確にとらえた防除を心がけてください。
  5. 適切な防除間隔を保ちましょう。
    防除間隔が長くなると、前回の防除で取逃した病原菌が増殖し蔓延してしまいます。普段から圃場を見回り、病害の発生状況に気を付けましょう。
  6. 圃場から、伝染源となるような枯死葉等を早めに除去しましょう。
    病原菌の伝染源を除去して、病害の発生しにくい圃場環境を整えてください。

*:Japan FRACホームページ https://www.jcpa.or.jp/labo/jfrac/

制作:Japan FRAC(Japan Fungicide Resistance Action Committee)

耐性菌リスク低減対策
(PDFデータ)