ご案内

「JCPA農薬工業会」は、
クロップライフジャパン」に名称を変更しました。
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2024年9月頃、新サイトについてご案内します。
サイト切替までは変わらず本サイトをご利用いただけます。

旬素材の産地から

旬素材の産地から ふっかちゃんの里深谷ねぎ 須藤和彦(すとうかずひこ) さん
                    全国的にも有名なブランドネギ「深谷ねぎ」の収穫の最盛期を迎えた12月中旬に、生産農家である須藤アグリサービスの作業場へお邪魔しました。ネギのいい香りが漂う中、須藤さんから「深谷ねぎ」づくりに対する熱い思いを伺いました。
                    埼玉県北部に位置する深谷市は、利根川と荒川の二大河川が流れる豊穣な大地の恵みを受け、「深谷ねぎ」をはじめとする野菜や花きの生産が盛んな地域です。特に市町村別ネギの作付け面積は477ヘクタールで、全国第一位の規模を誇ります。

冬のネギ畑、そんな薄着で・・・寒くないですか?

凍えるような北風の中での作業

須藤さん
じっとしていれば、このあたりは赤城おろしが吹きすさぶので相当寒いですよ。でも、作業していれば暑くなってきますね。動きやすい格好が一番。冬の最盛期は、午後3時間くらい収穫作業をします。

冬の今時期の忙しさは?

須藤さん
そうですね、とっても忙しいです(笑)。なので、家族総出で作業しています。
私が堀り機でネギ堀りをしている間に、妻が従業員と一緒に調整機でネギを剥く作業したり、おふくろは箱詰めしたり、効率良く分業していますね。ネギの選別は難しいので基本的に私がやっていますよ。

須藤さんが本格的に農業をはじめたのはいつ頃ですか?

須藤さん
38歳の時だね。それまではサラリーマンでした。製造業だったのですが、私は年間の製造計画を作ったり、たまに海外出張なんかもしていましたね。

全然違う職種だったわけですね。

何事も切磋琢磨だと語る

須藤さん
ええ。農業一筋だった親父が病気をしてから、単身赴任先の長野から土日だけ戻って手伝うという生活を2年していましたが、身体が限界で…。親父の跡を継ぐ形で、専業農家として再スタートを切りました。

はじめてみてどうでした?

須藤さん
最初は、仲間たちがネギづくりも商売のことも教えてくれました。でも、このあたりはネギ農家がかなり多くて、それぞれライバルっていう側面もあります。何十年もかけて見出したコツはそう簡単に教えてはくれませんよ。だからこそ切磋琢磨できるのかもしれないですね。

ネギづくりは1年がかり。たっぷり愛情をかけて太く白く育てるんだ。

ネギづくりって、どこが一番難しいんですか?

須藤さん
やっぱり梅雨時期から夏を越すのが一番難しいね。「深谷ねぎ」と一口に言っても、「秋冬春ネギ」と「夏ネギ」と大きく2種類作っています。どちらも「深谷ねぎ」ということに変わりはありません。

栽培の工程を教えてもらえますか?

須藤さん
「秋冬春ネギ」は、12月下旬から年明け2月初めくらいまでに播種して育苗したものを春先に定植するんだけど、そこから12月の収穫までに全部で6、7回土寄せという作業をします。日光にあたると緑になって硬くなってしまうので、何度も何度も高く土を寄せる作業をするんです。

え!?ネギづくりって1年がかりなんですか!?

掘られたネギが次々に上がっていく

須藤さん
そうだよ、手間暇かかってますよ~。特に土寄せをしっかりやらないと、太くて品質のいい深谷ねぎができないんだ。ここが決め手になるんですよ。

夏ネギも同じですか?

須藤さん
「夏ネギ」は、栽培期間が短いから白根を長くするのが大変なんです。それなら、栽培期間を長くとればいいじゃないかって思うでしょ?

はい、単純にそう思っちゃいますが。

ネギづくりを語るまなざしは真剣そのもの

須藤さん
とう立ちしちゃうんですよ。いわゆる「ネギ坊主」がでちゃう。直径5mmの時に低温を食らうと、花芽が分化していっちゃうんですよ。「秋冬春ネギ」も、定植後の梅雨~夏時期の栽培管理が非常に難しくて。軟腐病などの病気にもなりやすいんです。

そこで、農薬が活躍するわけですね。

須藤さん
ええ、ポイントポイントで使うようにしています。発芽した苗に殺菌剤を一度使って、立ち枯れの予防に。定植前に1回、梅雨時期に1回、夏があけて2回くらい殺虫剤を使います。秋になると、スリップス類やアブラムシがつきやすいので、それを予防します。

ちなみに「秋冬春ネギ」と「夏ネギ」、どちらがおいしいですか?

須藤さん
どちらもおいしい「深谷ねぎ」ということに変わりはないんだけど、特に甘味がのってきておいしいのは断然、寒い時期に採れるネギですね。もともと寒い冬に栽培するのに適している作物だから。

立派に育てるために、機械にもついつい凝っちゃって(笑)。

ハウスで元気に育っているのが、ネギの赤ちゃんですね!

育苗2ヵ月。すくすく順調に

須藤さん
10月半ばに播種して、今、育苗して2ヵ月のネギです。15センチくらいになるように葉先をカットします。カットは2回ほど行いますが、切るたびに太くしっかりしてきます。

切っちゃうんですね!?

定植に向け葉先をカットする機械

須藤さん
そう、手間が掛かるでしょ。さらに切った葉先は病気のもとになったりするから、取り除かなくちゃいけない。以前は草刈り機を使ってやっていたけれど、一度失敗しちゃって。その後の生育を大きく左右するので、機械を導入しました。生育を揃えるって意味でも大事な作業です。

おっ…これがそのマシーンですか。たくさん機械を入れてますね!

笑顔がステキな奥様は、大切な仕事のパートナー

須藤さん
そうなんです。作業の効率化が大前提なんだけど、こういう機械を導入するのって、正直ワクワクしちゃうんだよね。子供の頃に遊んだロボットのおもちゃを思い出すなぁ。

奥様に買い過ぎ注意されませんか?

須藤さん
言われちゃいますね。「本当に必要なの?」って(笑)。どこの農家もそうなんじゃないかな?男は機械に凝りがちだよね。

えっ?「深谷の土」でないと、この甘味は出ない!?

おいしいネギの見分け方は?

上部まで白くて真っ直ぐなのが一級品の証

須藤さん
上部までしっかり白いのが、いい「深谷ねぎ」ですね。ちゃんと土寄せをしていると、しっかりそこまで白くなります。ネギの繊維も柔らかいですよ。

おすすめの食べ方って、鍋ですか?

土寄せをして、すっぽりと白根を覆う

須藤さん
いや、鍋だと甘みも全部出ちゃうから、私としては焼きネギがおすすめ。蒸し焼きにして食べると、トローリとした食感と甘みが全部味わい尽くせるよ。

うわあ、おいしそう。どのくらい甘いんですか?

須藤さん
糖度が15度を超えたことがあります。これはメロンと同じくらいの甘み。すごいでしょ。

す、すごい。なんでそんなに甘くなるんですかね?

収穫したての山盛りの束。香りもすごい

須藤さん
このあたりは、群馬や埼北特有の冬の風物詩、空っ風が吹くでしょ。霜にあたって、畑の中でネギが凍り、糖分を蓄えていくんです。1月下旬あたりに採れる「深谷ねぎ」は、別名寒ブリネギって言われたりするんだよ、知ってた?

響きがいいですねぇ!今すぐ食べたくなってきました。

ふっかちゃん

須藤さん
全国各地で作られている長ネギと元は同じ種なんだけどね、ここ深谷の土で栽培しないと、この甘味が出ないんだよ。不思議でしょ?

深谷市のPRキャラクター「ふっかちゃん」がシンボルですね!

土づくりの前に成分分析を依頼する

須藤さん
そうですね、深谷といえばネギ。これはもう昔から押しも押されぬ特産物。もともとこの地域は利根川の氾濫で沖積層と呼ばれる土で、粘土質なんです。この性質がネギづくりに適しているんだと思う。ただそれに甘んじることなく、自分なりにいい土作りのための努力はしているつもり。毎年2月に、生科研分析センターで土の状態を分析してもらって、施肥設計書を元にできる限りいい状態にしてから定植するようにしています。

まさに向上心の塊!

土がついた外側の部分を剥く調整機

須藤さん
今、「S-GAP」認証を目指し、食品の安全、労働の安全、環境保全に配慮した農業も目指しています。審査途中なのですが、順調にいけば2018年には認証されるはずです。
※GAP(Good Agricultural Practice)は、良い農業のやり方のこと。埼玉県は、独自のGAP規範である「S-GAP」を策定している。

日本の農業を守るために「食べ支えて」欲しい!

サラリーマンの頃の経験って生かされてます?

素早く選別されていく

須藤さん
もちろん。モノづくりって、「品質」、「コスト」、「納期」が重要なんだけど、それって農業にもそのまま役立てられるんだよね。そこは、ネギづくり=モノづくりです。

どんなふうに?

須藤さん
コストパフォーマンスを考えて、改善点を見つけて作業を機械化していくことも大事だよね。農家は、ただ品質の良い農作物を作るだけじゃなくて、おいしい農作物を低コストで、しかも安定して供給することが求められるわけだから。消費者の皆さんにとっても良いし、結果的に私たち農家の生活の安定にもつながっている。

2017年、今年の出来はどうですか?

箱の間から深谷ねぎの美しい“白”がのぞく

須藤さん
10月の台風の影響で、ネギが倒れたり、曲がったりという被害もあったので、80点くらいかな。たとえば白根がもう少し長いと良かったんだけど。

確か、2014年に大雪の被害がありましたよね?

家族・従業員が一丸となって

須藤さん
あの時は雪でハウスがつぶれたりして、収穫が3割減くらいになりまして。でも、比較的ネギは天災に強いんじゃないですかね。農家15年やってきて、全滅ということはこれまでにないですから。

最後に消費者に一言メッセージお願いします。

須藤さん
作り手として一生懸命いいものを作ってお届けしますから、日本の農業を守る意味でも皆さんにぜひ「食べ支えて」ほしいです!
  • 深谷といえば、「深谷ねぎ」と「ふっかちゃん」。 寒い冬に旬を迎えるのが「深谷ねぎ」です。ネギといえば、鍋物や麺類の薬味などに添えられる脇役のイメージもありますが、この「深谷ねぎ」は、非常に甘みが強く、繊維も柔らかいので、土をサッと払ってから蒸し焼きの状態にして、そのまま剥いて食べるのが生産農家の皆さんおすすめの食べ方なのだとか。「深谷ねぎまつり」をはじめ、さまざまなイベントなどで「深谷ねぎの一本焼き」がふるまわれ、深谷市のゆるキャラ「ふっかちゃん」とともに人気を呼んでいます。

  • 深谷といえば、「深谷ねぎ」と「ふっかちゃん」。

深谷ねぎ 栽培スケジュール

ふっかちゃんの里 深谷ねぎ

須藤和彦(すとうかずひこ)さん

須藤和彦(すとうかずひこ)さん

全国的にも有名なブランドネギ「深谷ねぎ」の収穫の最盛期を迎えた12月中旬に、生産農家である須藤アグリサービスの作業場へお邪魔しました。ネギのいい香りが漂う中、須藤さんから「深谷ねぎ」づくりに対する熱い思いを伺いました。

深谷市

深谷市

埼玉県北部に位置する深谷市は、利根川と荒川の二大河川が流れる豊穣な大地の恵みを受け、「深谷ねぎ」をはじめとする野菜や花きの生産が盛んな地域です。特に市町村別ネギの作付け面積は477ヘクタールで、全国第一位の規模を誇ります。

冬のネギ畑、そんな薄着で・・・寒くないですか?

須藤さん
じっとしていれば、このあたりは赤城おろしが吹きすさぶので相当寒いですよ。でも、作業していれば暑くなってきますね。動きやすい格好が一番。冬の最盛期は、午後3時間くらい収穫作業をします。

凍えるような北風の中での作業

冬の今時期の忙しさは?

須藤さん
そうですね、とっても忙しいです(笑)。なので、家族総出で作業しています。
私が堀り機でネギ堀りをしている間に、妻が従業員と一緒に調整機でネギを剥く作業したり、おふくろは箱詰めしたり、効率良く分業していますね。ネギの選別は難しいので基本的に私がやっていますよ。

須藤さんが本格的に農業をはじめたのはいつ頃ですか?

須藤さん
38歳の時だね。それまではサラリーマンでした。製造業だったのですが、私は年間の製造計画を作ったり、たまに海外出張なんかもしていましたね。

全然違う職種だったわけですね。

須藤さん
ええ。農業一筋だった親父が病気をしてから、単身赴任先の長野から土日だけ戻って手伝うという生活を2年していましたが、身体が限界で…。親父の跡を継ぐ形で、専業農家として再スタートを切りました。

何事も切磋琢磨だと語る

はじめてみてどうでした?

須藤さん
最初は、仲間たちがネギづくりも商売のことも教えてくれました。でも、このあたりはネギ農家がかなり多くて、それぞれライバルっていう側面もあります。何十年もかけて見出したコツはそう簡単に教えてはくれませんよ。だからこそ切磋琢磨できるのかもしれないですね。

ネギづくりは1年がかり。たっぷり愛情をかけて太く白く育てるんだ。

ネギづくりって、どこが一番難しいんですか?

須藤さん
やっぱり梅雨時期から夏を越すのが一番難しいね。「深谷ねぎ」と一口に言っても、「秋冬春ネギ」と「夏ネギ」と大きく2種類作っています。どちらも「深谷ねぎ」ということに変わりはありません。

栽培の工程を教えてもらえますか?

須藤さん
「秋冬春ネギ」は、12月下旬から年明け2月初めくらいまでに播種して育苗したものを春先に定植するんだけど、そこから12月の収穫までに全部で6、7回土寄せという作業をします。日光にあたると緑になって硬くなってしまうので、何度も何度も高く土を寄せる作業をするんです。

え!?ネギづくりって1年がかりなんですか!?

須藤さん
そうだよ、手間暇かかってますよ~。特に土寄せをしっかりやらないと、太くて品質のいい深谷ねぎができないんだ。ここが決め手になるんですよ。

掘られたネギが次々に上がっていく

夏ネギも同じですか?

須藤さん
「夏ネギ」は、栽培期間が短いから白根を長くするのが大変なんです。それなら、栽培期間を長くとればいいじゃないかって思うでしょ?

はい、単純にそう思っちゃいますが。

須藤さん
とう立ちしちゃうんですよ。いわゆる「ネギ坊主」がでちゃう。直径5mmの時に低温を食らうと、花芽が分化していっちゃうんですよ。「秋冬春ネギ」も、定植後の梅雨~夏時期の栽培管理が非常に難しくて。軟腐病などの病気にもなりやすいんです。

ネギづくりを語るまなざしは真剣そのもの

そこで、農薬が活躍するわけですね。

須藤さん
ええ、ポイントポイントで使うようにしています。発芽した苗に殺菌剤を一度使って、立ち枯れの予防に。定植前に1回、梅雨時期に1回、夏があけて2回くらい殺虫剤を使います。秋になると、スリップス類やアブラムシがつきやすいので、それを予防します。

ちなみに「秋冬春ネギ」と「夏ネギ」、どちらがおいしいですか?

須藤さん
どちらもおいしい「深谷ねぎ」ということに変わりはないんだけど、特に甘味がのってきておいしいのは断然、寒い時期に採れるネギですね。もともと寒い冬に栽培するのに適している作物だから。

立派に育てるために、機械にもついつい凝っちゃって(笑)。

ハウスで元気に育っているのが、ネギの赤ちゃんですね!

須藤さん
10月半ばに播種して、今、育苗して2ヵ月のネギです。15センチくらいになるように葉先をカットします。カットは2回ほど行いますが、切るたびに太くしっかりしてきます。

育苗2ヵ月。すくすく順調に

切っちゃうんですね!?

須藤さん
そう、手間が掛かるでしょ。さらに切った葉先は病気のもとになったりするから、取り除かなくちゃいけない。以前は草刈り機を使ってやっていたけれど、一度失敗しちゃって。その後の生育を大きく左右するので、機械を導入しました。生育を揃えるって意味でも大事な作業です。

定植に向け葉先をカットする機械

おっ…これがそのマシーンですか。たくさん機械を入れてますね!

須藤さん
そうなんです。作業の効率化が大前提なんだけど、こういう機械を導入するのって、正直ワクワクしちゃうんだよね。子供の頃に遊んだロボットのおもちゃを思い出すなぁ。

笑顔がステキな奥様は、大切な仕事のパートナー

奥様に買い過ぎ注意されませんか?

須藤さん
言われちゃいますね。「本当に必要なの?」って(笑)。どこの農家もそうなんじゃないかな?男は機械に凝りがちだよね。

えっ?「深谷の土」でないと、この甘味は出ない!?

おいしいネギの見分け方は?

須藤さん
上部までしっかり白いのが、いい「深谷ねぎ」ですね。ちゃんと土寄せをしていると、しっかりそこまで白くなります。ネギの繊維も柔らかいですよ。

上部まで白くて真っ直ぐなのが一級品の証

おすすめの食べ方って、鍋ですか?

須藤さん
いや、鍋だと甘みも全部出ちゃうから、私としては焼きネギがおすすめ。蒸し焼きにして食べると、トローリとした食感と甘みが全部味わい尽くせるよ。

土寄せをして、すっぽりと白根を覆う

うわあ、おいしそう。どのくらい甘いんですか?

須藤さん
糖度が15度を超えたことがあります。これはメロンと同じくらいの甘み。すごいでしょ。

す、すごい。なんでそんなに甘くなるんですかね?

須藤さん
このあたりは、群馬や埼北特有の冬の風物詩、空っ風が吹くでしょ。霜にあたって、畑の中でネギが凍り、糖分を蓄えていくんです。1月下旬あたりに採れる「深谷ねぎ」は、別名寒ブリネギって言われたりするんだよ、知ってた?

収穫したての山盛りの束。香りもすごい

響きがいいですねぇ!今すぐ食べたくなってきました。

須藤さん
全国各地で作られている長ネギと元は同じ種なんだけどね、ここ深谷の土で栽培しないと、この甘味が出ないんだよ。不思議でしょ?

ふっかちゃん

深谷市のPRキャラクター「ふっかちゃん」がシンボルですね!

須藤さん
そうですね、深谷といえばネギ。これはもう昔から押しも押されぬ特産物。もともとこの地域は利根川の氾濫で沖積層と呼ばれる土で、粘土質なんです。この性質がネギづくりに適しているんだと思う。ただそれに甘んじることなく、自分なりにいい土作りのための努力はしているつもり。毎年2月に、生科研分析センターで土の状態を分析してもらって、施肥設計書を元にできる限りいい状態にしてから定植するようにしています。

土づくりの前に成分分析を依頼する

まさに向上心の塊

須藤さん
今、「S-GAP」認証を目指し、食品の安全、労働の安全、環境保全に配慮した農業も目指しています。審査途中なのですが、順調にいけば2018年には認証されるはずです。
※GAP(Good Agricultural Practice)は、良い農業のやり方のこと。埼玉県は、独自のGAP規範である「S-GAP」を策定している。

土がついた外側の部分を剥く調整機

日本の農業を守るために「食べ支えて」欲しい!

サラリーマンの頃の経験って生かされてます?

須藤さん
もちろん。モノづくりって、「品質」、「コスト」、「納期」が重要なんだけど、それって農業にもそのまま役立てられるんだよね。そこは、ネギづくり=モノづくりです。

素早く選別されていく

どんなふうに?

須藤さん
コストパフォーマンスを考えて、改善点を見つけて作業を機械化していくことも大事だよね。農家は、ただ品質の良い農作物を作るだけじゃなくて、おいしい農作物を低コストで、しかも安定して供給することが求められるわけだから。消費者の皆さんにとっても良いし、結果的に私たち農家の生活の安定にもつながっている。

2017年、今年の出来はどうですか?

須藤さん
10月の台風の影響で、ネギが倒れたり、曲がったりという被害もあったので、80点くらいかな。たとえば白根がもう少し長いと良かったんだけど。

箱の間から深谷ねぎの美しい“白”がのぞく

確か、2014年に大雪の被害がありましたよね?

須藤さん
あの時は雪でハウスがつぶれたりして、収穫が3割減くらいになりまして。でも、比較的ネギは天災に強いんじゃないですかね。農家15年やってきて、全滅ということはこれまでにないですから。

家族・従業員が一丸となって

最後に消費者に一言メッセージお願いします。

須藤さん
作り手として一生懸命いいものを作ってお届けしますから、日本の農業を守る意味でも皆さんにぜひ「食べ支えて」ほしいです!

深谷といえば、「深谷ねぎ」と「ふっかちゃん」。

深谷といえば、「深谷ねぎ」と「ふっかちゃん」。
寒い冬に旬を迎えるのが「深谷ねぎ」です。ネギといえば、鍋物や麺類の薬味などに添えられる脇役のイメージもありますが、この「深谷ねぎ」は、非常に甘みが強く、繊維も柔らかいので、土をサッと払ってから蒸し焼きの状態にして、そのまま剥いて食べるのが生産農家の皆さんおすすめの食べ方なのだとか。「深谷ねぎまつり」をはじめ、さまざまなイベントなどで「深谷ねぎの一本焼き」がふるまわれ、深谷市のゆるキャラ「ふっかちゃん」とともに人気を呼んでいます。
深谷ネギ 栽培スケジュール
深谷ネギ 栽培スケジュール
旬素材の産地からの一覧