1.空へ 2.地へ 3.手のひらへ
- 押田さん
- そっと、そっと…やさしく一度、空に向かって持ちあげて、こんどは、地面に向かって引いてください…ほら、手のひらに。
あ、穫れた!!(なんか不思議…)
- 押田さん
- けなげでしょ。まるで収穫してくださいというように、梨は木に実ります。今回取材していただく「あきづき」は1つ500gぐらいありますが、ほんとにカンタンに収穫できます。どうぞ、食べてみてください。
あぁ、あま~い、みずみずしい!
- 押田さん
- 和梨は、幸水、豊水、新高の3種が知られていますが、早秋が収穫期の「あきづき」はこの3つの長所を併せ持った新しい品種です。
「あきづき」は、3大ブランドのいいトコドリ!!
- 押田さん
- どの梨もおいしいのですが、「あきづき」は、幸水のみずみずしさ、豊水の甘さ、新高の大きさという長所を、すべて受け継いでいます。これからどんどん人気が出てくる品種だと思います。
今年の出来栄えはいかがですか?
- 押田さん
- 台風などの災害に合うこともなく、立派な梨に育てることがきました。梨は繊細な果実ですから、栽培にかかる約120日間つきっきりで世話をして育てます。8月末からの収穫が、1年で1番たのしいですね。
梨園のかわいい娘たちですね♪
- 押田さん
- はい。大切に、大切に、手塩をかけて育てています。先祖がこの梨園を、残してくれてほんとうに感謝しています。今では信じられませんが、この場所は昔、入江だったそうです。父が、よく知っています。
ええ!?ここは昔、海岸だった?
- 押田さんのお父さん
- そうですよ。地面を掘ると白い貝の層がでてきます。これが白井(しろい)市の語源になったと言う説もあります。昔、この近くで送電線の鉄塔を建設した工事の人が、貝殻でできた白い土の層を見て、「ここは果樹を植えると美味しい実がなる」と言ったそうです。
貝殻の出る層に、果樹を植えるとおいしい実がなる・・・!!
- 押田さんのお父さん
- それを聞いて、うちの親父が松林だったところを開拓して梨を植えました。自分は高校卒業して本格的に梨づくりを始めました。幸いにして先祖が梨園を開いてくれたおかげで、今があります。
- 押田さんのお父さん
- そうです。私は今年73才になります。もう50年以上、経ちますね。
1.6haの畑に600本の梨の木。1つ1つが頭に入っている!
- 押田さんのお父さん
- 梨の木の寿命はおよそ20年。それを超えると萎縮病とかが発生しやすくなります。梨の木は寿命が短いから常に植え替える準備もしておかなければなりません。ここが植えて5年目の列、あちらが10年目の列、向こうが15年目…1本1本、600本全部、頭に入っています…そりゃ、プロですから。
「プロですから」って、カッコよすぎ♪
- 押田さんのお父さん
- いやいや。そのくらい大切に育てないと、おいしい梨はつくれません。