
25年間デコポンと向き合ってきた山内さん。
農薬はどんな役目を担ってきましたか?
品質の基準は、何ですか!
- 山内さん
- 品質には外観の評価もありますが、糖度とクエン酸度がいちばん大事。今は光センサーで測って、糖度13度以上、クエン酸1.0%以下の合格品だけを「デコポン」として出荷しています。基準値に届かないものは「不知火」という名前でブランドを使いわけています。
これが中晩柑(ちゅうばんかん)生産工程・管理記帳台帳ですか!
- 山内さん
- 中晩柑とは、温州みかん以外の柑橘類の総称です。この管理記帳台帳に、いつどんな農作業をしたか、どの農薬を何倍率でいつ散布したかなどを、各農家さんに細かく記入してもらい管理しています。
どんな農薬を、いつ使いますか?
- 山内さん
- 葉につくダニの対策として、6月の梅雨前期に2種類のダニに、それぞれ最適な農薬を散布しています。また6月には黒点病に有効な農薬を3回に分けて使用。黒点病には7月、8月にも別の種類の農薬を使っていますね。いま一番気をつけている病気です。
農薬は、どんな役割がある?
- 山内さん
- 農薬は、デコポン栽培になくてはならないものです。肝心なのは使い方です。農薬の種類と使用時期はJA熊本うきの指導者が決めて、「中晩柑薬剤一覧」というシートにまとめて農家に配っています。このシートには突発的にでる病害虫への対処方も記載しています。
JA熊本うきと、しっかり連携!
- 山内さん
- JA熊本うきが、必要な情報をファックスで一斉送信してくれます。風速とか、降雨量の予想とか。病害虫の発生時には、講習会を開いて対策を指導してくれます。残留農薬の検査も定期的に行っています。
デコポンを栽培して、一番うれしかったのは?
- 山内さん
- 収益が上がったときですね(笑)。デコポンが伸び盛りだった当時、1から10へ、100へと数量が増えましたが、そのペース通りお金が入ってきたときはうれしかったですね。男は勝負をしないといけない、とつくづく思いました(笑)。
市場価格は、1kg約1200円!
- 山内さん
- スーパーで買うと1つ400円くらいですね。高品質フルーツとして安心して食べていただいています。そうそう、デコポン農家には番付があるのですよ。
え、デコポン番付がある!
- 山内さん
- JA熊本うきのデコポン農家は、500農家中何番という番付がでます。生産量であなたは何番、販売単価は何番、収益は何番というふうに自分の作ったものの評価が個人の順番としてでるのです。ライバルと競争ですから、勝ったときはうれしい。
上位に入る秘訣は!
- 山内さん
- 一言でいうと、ものづくりに対する熱意さですね。消毒する、予防する、肥料をきちんと与える・・・日々の作業をやり切ることです。
PRは、くまモンにお任せですね(笑)
- 山内さん
- はい。熊本県の県民は、くまモンのキャラクターが自由に使えるので、大変お世話になっています。男前ですね、熊本県(笑)。
農林水産大臣賞、大賞をいただいた!
- 山内さん
- 平成14年に集団組織の部でいただきました。デコポンのおいしさを広め、ブランドとして全国に認知させたことが評価されたと思います。大きな励みになっています。
心配ごとといえば、やはりTPPですか?
- 山内さん
- はい。8年後には関税が撤廃されます。まだ影響の大きさはわかりませんが、生産者の心が折れなければと願うばかりです。まあ、今から心配しても仕方ない(笑)。
山内さん、がんばって!
- 山内さん
- デコポンみたいに明るく、みんなと笑ってやっていきますよ。それが一番よか~。