旬素材の産地から

旬素材の産地から 晩餐会のアスパラガス 近藤富治(こんどうとみじ) さん
                    原産地が南ヨーロッパと言われるアスパラガスは、日本全国で栽培されています。収穫量が多いのは、なんといっても北海道。今回は、甘いアスパラガスで有名なJAびえいの白金アスパラガス生産部会の副部会長、近藤さんを訪ねました。
                    美瑛町はほぼ北海道の中央に位置し、なだらかな波状丘陵と緑豊かな自然環境が魅力の町です。アスパラガスをはじめ小麦、豆類、馬鈴薯などの産地として知られ、近年は「日本で最も美しい村」連合の取組みなど、うつくしい景観を次代に伝える活動に力を入れています。

取材日:2018年5月

わっ!ミシュラン1つ星の、
                    アスパラガス!

店名はフランス語のアスパラガスから

美瑛選果 加藤さん
はい。こちらがフレンチレストラン「アスペルジュ」の人気の一皿です。アスペルジュは、JAびえいが運営する直売所、美瑛選果に入るフランス料理店で、ミシュランガイド北海道2017特別版で一つ星を獲得しました。本日のランチでは、美瑛産アスパラガス(グリーンアスパラガス)を粉チーズ添えで召し上がっていただいています。

ジューシー! なんて美味しいー!

美瑛選果 加藤さん
美瑛は昼夜の寒暖差が大きく、アスパラガス栽培の絶好の条件が整っています。昼間、太陽光によって糖分がたくわえられ、夜の冷え込みは糖分の消費を抑えてくれます。だから、とってもジューシーで甘いのです。

美瑛では、どんな品種を作っていますか?

美瑛選果 加藤さん
美瑛で作っているアスパラガスの品種は「ラスノーブル」「HLA7」「スーパーウェルカム」の3種。ラスノーブルはここで品種改良されたもので柔らかく、美味しくて人気があります。先端が赤みを帯びているところが特徴です。ただ強い風が吹くと先端が曲がってしまうので栽培は苦労します。それと、もう新しい種がないので、今栽培されている株から、あと何年か収穫したら終わりです。サミットで各国首脳が食べたのもこの品種です。

洞爺湖サミットの晩餐会の食材に採用された!!!

鮮やかな緑が、食欲をそそります

美瑛選果 加藤さん
2008年だからもう10年前になりますね。JAびえいの三木さんが、各国の首脳が集まる洞爺湖ホテルへアスパラガスを運んだのですよ。

え!サミット会場へ軽トラで?

サミットにアスパラガスを届けたJAびえいの三木さん

JA三木さん
セキュリティがすごかった。要人を警護するSPと呼ばれる屈強な人がたくさんいて、鋭い目でチェックしてくるんです。アスパラガスを抱えてドキドキ(笑)していると、シェフが迎えにきてくれてほっとしました。あとはスイスイ、ホテルの厨房までしっかり届けてきました(笑)。シェフは超一流揃いですから、美味しく召し上がっていただけたと思います。

美瑛のアスパラガスは、日本一ですね!

JA三木さん
作付面積でいくとJA道北なよろが一番で、JAびえいは二番目です。10アールあたりの収量でいくと、美瑛が日本一だと思います。収量が高いのは、堆肥の質や量にこだわり、土づくりに力を入れているからだと思います。

メルヘンチックな丘に広がるアスパラガス畑♪

なだらかな丘が、波のように連なって

JA三木さん
美瑛の地形はなだらかな丘が連なる波状丘陵、日本ではめずらしい風景が楽しめます。観光には向いていますが、農作業をする方はちょっときつい(笑)。

アスパラガスを栽培する農家さんが134軒

JA三木さん
JAびえいの生産部会518軒のうち、アスパラガスを栽培している農家さんが134軒です。うれしいことに最近、新規就農者が増えています。これから会う、近藤さんがいる三沢地域も若い人が帰ってきています。

若い人が、なぜ帰ってきている?

JA三木さん
ぜひ副部会長の近藤さんに聞いてみてください。ここからはJAびえい生産部会、生産振興課の川崎がご案内しますので。二人は大の仲良しです。

「こういう人生もいいもんだ」45才で就農して、そう思った。

うわ~、ニョキニョキ生えている!!!

この時期は、朝夕2回収穫する

近藤さん
広いでしょ、サッカーグラウンド2面分あります。これぜんぶアスパラガス畑です。今しがた、1回目の収穫が終わったところです。

え?朝5時から。近藤さん、精がでますね~!

近藤さんは、アスパラガス農家の2代目

近藤さん
冬中、仕事していませんからね~(笑)。これから2回目の収穫ですが、アスパラガスは雨の後、天気がよいと1日に10㎝くらい伸びます。刈った後ろで、伸びている感じ(笑)。
この畑は、父親の代からアスパラガスを始めました。ほら、あそこにいるのが父親…88才です。

88才??腰がシャキーンとしている!!!

88才とは思えない鎌さばき

近藤さん
遠目だと、88才に見えないでしょう。アスパラガスの収穫は機械化できません。1本1本長さが違うから、手で計って収穫するのです。広大な畑を一日2回、端から端まで毎日収穫しています。親父は今でも朝から晩まで働いています。元気なものです。この畑は雑草がないでしょ。養分がアスパラガスに回るようにしっかり管理しているから効率よく収穫できます。親父がやってきたことを10年前から僕が引き継ぎました。

え?近藤さんも、リターン就農組?

近藤さん
はい、就業して10年目。札幌の建築会社で44才までサラリーマンをしていました。美瑛は地元に帰って就農する若い人が多いですよ。

地元に帰った、きっかけは?

近藤さん
ここなら、上司がいない!ストレスがない!(笑)。のんびり無理せず、自分のペースでやっていけます。いまの若い人は集団に向かない人が多いからね。僕もいろいろ迷ったけれど、美瑛に帰ってきて気づきました。人生は、1回だって。

そう、人生って、一回です!

近藤さん
こういう暮らしも、いいものですよ。そりゃ都会で暮らす派手さはないけど、毎日、機嫌よく生きていけます。親父なんか、15才からずっと畑と暮らしています。この前、聞いたんですよ、「100才までいけるね?」って、そうしたら普通に「がんばるわ」って言っていました(笑)。

今年の出来栄えは、いかがですか?

本格的に収穫するのは4年目から

近藤さん
いいですよ。昨冬の雪が多かったので、土に養分がいっぱい入って、甘くて美味しいアスパラガスができました。去年、根の養分量を測るといい数字でしたからね。

年間の作業スケジュールを教えて

近藤さん
アスパラガスの種は一軒の農家で育てます。4月上旬に種を落とし、芽が出て、ある程度育ったところで生産者に配ります。収穫はハウスで4月中旬から5月中旬、露地ものは5月初旬から6月までです。とはいえ、実はアスパラガスは植えてから1、2年目は一切収穫しません。3年目に1週間だけ収穫して、あとは自由に茎を伸ばしておきます。

3年、寝かせるんですね!

近藤さん
はい。4年目から本格的に収穫します。早くから採ると、根が育たず、長く使えません。
しっかりとした根付きが、10年以上にわたる収穫と品質の土台となります。この畑は、7年もの、5年もの、3年ものとエリアが区分けされています。

アスパラガスって、1株から何本もとれるのですね!

豊かな大地がアスパラガスを育てる

近藤さん
株から芽が伸びて23センチになったら収穫します。1つの株から何本も芽が出てくるので、何回とれるのかわからないぐらいです。

雪を使って、土にパワーを充電する?

収穫できるのは長さ23㎝以上のもの

近藤さん
冬場は雪のため作業はお休みだけど、春先には茎刈があります。収穫後アスパラの茎は、人間の背たけぐらいまで伸びるのですが、そのままにして雪の重みで倒れるのを待ちます。栄養を蓄えたままにしておくのです。春先には茎は枯れていますが、これを全部草刈り機で刈って、1ヵ所に集めて燃やします。毎年、4月15日頃ですね。

農薬は、どのように役立っていますか?

近藤さん
美瑛のアスパラガス農家は、土づくりにこだわりがあります。4月の下旬に肥料の窒素を少し入れて、除草剤を撒きます。除草剤を使うことで、雑草に邪魔されずに、土の養分をしっかりアスパラガスに供給できます。農薬のおかげですね。あとは収穫後の7月末に殺菌剤、お盆前後にヨトウムシなど害虫対策で殺虫剤を使って、次の年に備えています。

アスパラガスは鮮度! だから、テキパキ作業します

わー、すごい活気。ここが集荷場ですね。

本日の収量は100コンテナ、約9トン

JA川崎さん
場内の4カ所で、集まったアスパラガスの長さを21センチに揃え、太さを選別し、結束する作業をしています。M、L、2Lサイズの3種類です。2Lサイズの太めのアスパラガスはギフト向けで、やや品薄状態です。年々ギフト需要が伸びているのは、固定ファンが増えている証拠ですね。

ピーク時には、100人態勢ですか!

目視で、品質をチェック

JA川崎さん
今日は80名ぐらいですが、これから徐々に増えてピーク時には100名を超えますね。アスパラガスで集荷場がフル稼働するのは、5月10日~6月末の2か月弱です。ちなみに今日の収量は100コンテナだから約9トンですね。多い時は20トンになります。

全国ネットの大手スーパーと契約

春の大地の力がギュッと詰まって

JA川崎さん
JAびえいは、大手スーパーの商品を主に扱っていて、市場への出荷はあまり多くありません。契約先が決まっている分、安定した運営ができますね。地元向けには、美瑛選果という直営店があり、観光客の方にもご愛顧いただいています。美瑛選果ではネット販売もしています。

とってもオシャレな直売所ですね!

ショーケースのようなモダン建築

JA川崎さん
美瑛産の採れたてを直販しています。ショップの隣には地元産の小麦で作るパン工房も。フレンチの厨房も、パン工房もガラス張りになっていて、作業が見える工夫をしています。海外からの観光客にも好評で、全国の市町村からの視察が絶えません。

農家さんとJAさん、ナイスチームですね!!!

思わず買って帰りたくなる

JA川崎さん
美瑛には全国でも有名な農産物と、美しい丘という観光資源があります。この二つをコツコツと結びつけることで、観光客の皆さんに喜んでいただいています。Iターン就農する若い人が増えたのも、そんな努力が実を結んだから…というか、小さい頃から育った美瑛が、みんな好きなんじゃないでしょうか。

近藤さん、大好きなアスパラガスの食べ方を教えて!

アスパラガス畑をバックに、はいチーズ!

近藤さん
僕は、シンプルに茹でて、マヨネーズで食べるのが一番美味しいと思います!収穫から日数をおかずに、できるだけ新鮮なうちに食べてください。時間がたつと甘みがとんで味が落ちちゃいますから。美瑛のアスパラガスは毎日食べても飽きませんよ。アスパラガス農家の僕が言うのだから、間違いありません。
  • JAびえいのアスパラガス 日本のアスパラガス栽培発祥地であり生産量日本一の北海道。美瑛町は生産量400トンを誇り、北にある名寄市と道内トップの座を競っています。もともと美瑛はホワイトアスパラの缶詰の加工工場があったところ。「ホワイトアスパラガス」は、「グリーンアスパラガス」と同じもので、土をかぶせて光を当てずに栽培したものです。一般的な野菜と違って、アスパラガスは株が根付くまで数年かかり、その後、春に伸びる芽を収穫します。しっかりとした根付きが、数年にわたる収穫と品質の土台となります。美瑛町では土作りに力を入れると同時に、春の寒暖差の大きな内陸気候を生かして、甘くて美味しいアスパラガスを生産しています。

  • JAびえいのアスパラガス

アスパラガス 栽培スケジュール

晩餐会のアスパラガス

近藤富治(こんどうとみじ)さん

近藤富治(こんどうとみじ)さん

原産地が南ヨーロッパと言われるアスパラガスは、日本全国で栽培されています。収穫量が多いのは、なんといっても北海道。今回は、甘いアスパラガスで有名なJAびえいの白金アスパラガス生産部会の副部会長、近藤さんを訪ねました。

美瑛市

美瑛市

美瑛町はほぼ北海道の中央に位置し、なだらかな波状丘陵と緑豊かな自然環境が魅力の町です。アスパラガスをはじめ小麦、豆類、馬鈴薯などの産地として知られ、近年は「日本で最も美しい村」連合の取組みなど、うつくしい景観を次代に伝える活動に力を入れています。
取材日:2018年5月

わっ!ミシュラン1つ星の、アスパラガス!

美瑛選果 加藤さん
はい。こちらがフレンチレストラン「アスペルジュ」の人気の一皿です。アスペルジュは、JAびえいが運営する直売所、美瑛選果に入るフランス料理店で、ミシュランガイド北海道2017特別版で一つ星を獲得しました。本日のランチでは、美瑛産アスパラガス(グリーンアスパラガス)を粉チーズ添えで召し上がっていただいています。

店名はフランス語のアスパラガスから

ジューシー!なんて美味しいー!

美瑛選果 加藤さん
美瑛は昼夜の寒暖差が大きく、アスパラガス栽培の絶好の条件が整っています。昼間、太陽光によって糖分がたくわえられ、夜の冷え込みは糖分の消費を抑えてくれます。だから、とってもジューシーで甘いのです。

美瑛では、どんな品種を作っていますか?

美瑛選果 加藤さん
美瑛で作っているアスパラガスの品種は「ラスノーブル」「HLA7」「スーパーウェルカム」の3種。ラスノーブルはここで品種改良されたもので柔らかく、美味しくて人気があります。先端が赤みを帯びているところが特徴です。ただ強い風が吹くと先端が曲がってしまうので栽培は苦労します。それと、もう新しい種がないので、今栽培されている株から、あと何年か収穫したら終わりです。サミットで各国首脳が食べたのもこの品種です。

洞爺湖サミットの晩餐会の食材に採用された!!!

美瑛選果 加藤さん
2008年だからもう10年前になりますね。JAびえいの三木さんが、各国の首脳が集まる洞爺湖ホテルへアスパラガスを運んだのですよ。

鮮やかな緑が、食欲をそそります

え!サミット会場へ軽トラで?

JA三木さん
セキュリティがすごかった。要人を警護するSPと呼ばれる屈強な人がたくさんいて、鋭い目でチェックしてくるんです。アスパラガスを抱えてドキドキ(笑)していると、シェフが迎えにきてくれてほっとしました。あとはスイスイ、ホテルの厨房までしっかり届けてきました(笑)。シェフは超一流揃いですから、美味しく召し上がっていただけたと思います。

サミットにアスパラガスを届けたJAびえいの三木さん

美瑛のアスパラガスは、日本一ですね!

JA三木さん
作付面積でいくとJA道北なよろが一番で、JAびえいは二番目です。10アールあたりの収量でいくと、美瑛が日本一だと思います。収量が高いのは、堆肥の質や量にこだわり、土づくりに力を入れているからだと思います。

メルヘンチックな丘に広がる
アスパラガス畑♪

JA三木さん
美瑛の地形はなだらかな丘が連なる波状丘陵、日本ではめずらしい風景が楽しめます。観光には向いていますが、農作業をする方はちょっときつい(笑)。

なだらかな丘が、波のように連なって

アスパラガスを栽培する農家さんが134軒

JA三木さん
JAびえいの生産部会518軒のうち、アスパラガスを栽培している農家さんが134軒です。うれしいことに最近、新規就農者が増えています。これから会う、近藤さんがいる三沢地域も若い人が帰ってきています。

若い人が、なぜ帰ってきている?

JA三木さん
ぜひ副部会長の近藤さんに聞いてみてください。ここからはJAびえい生産部会、生産振興課の川崎がご案内しますので。二人は大の仲良しです。

「こういう人生もいいもんだ」
45才で就農して、そう思った。

うわ~、ニョキニョキ生えている!!!

近藤さん
広いでしょ、サッカーグラウンド2面分あります。これぜんぶアスパラガス畑です。今しがた、1回目の収穫が終わったところです。

この時期は、朝夕2回収穫する

え?朝5時から。
近藤さん、精がでますね~!

近藤さん
冬中、仕事していませんからね~(笑)。これから2回目の収穫ですが、アスパラガスは雨の後、天気がよいと1日に10㎝くらい伸びます。刈った後ろで、伸びている感じ(笑)。
この畑は、父親の代からアスパラガスを始めました。ほら、あそこにいるのが父親…88才です。

近藤さんは、アスパラガス農家の2代目

88才??腰がシャキーンとしている!!!

近藤さん
遠目だと、88才に見えないでしょう。アスパラガスの収穫は機械化できません。1本1本長さが違うから、手で計って収穫するのです。広大な畑を一日2回、端から端まで毎日収穫しています。親父は今でも朝から晩まで働いています。元気なものです。この畑は雑草がないでしょ。養分がアスパラガスに回るようにしっかり管理しているから効率よく収穫できます。親父がやってきたことを10年前から僕が引き継ぎました。

88才とは思えない鎌さばき

え?近藤さんも、リターン就農組

近藤さん
はい、就業して10年目。札幌の建築会社で44才までサラリーマンをしていました。美瑛は地元に帰って就農する若い人が多いですよ。

地元に帰った、きっかけは?

近藤さん
ここなら、上司がいない!ストレスがない!(笑)。のんびり無理せず、自分のペースでやっていけます。いまの若い人は集団に向かない人が多いからね。僕もいろいろ迷ったけれど、美瑛に帰ってきて気づきました。人生は、1回だって。

そう、人生って、一回です!

近藤さん
こういう暮らしも、いいものですよ。そりゃ都会で暮らす派手さはないけど、毎日、機嫌よく生きていけます。親父なんか、15才からずっと畑と暮らしています。この前、聞いたんですよ、「100才までいけるね?」って、そうしたら普通に「がんばるわ」って言っていました(笑)。

今年の出来栄えは、いかがですか?

近藤さん
いいですよ。昨冬の雪が多かったので、土に養分がいっぱい入って、甘くて美味しいアスパラガスができました。去年、根の養分量を測るといい数字でしたからね。

本格的に収穫するのは4年目から

年間の作業スケジュールを教えて

近藤さん
アスパラガスの種は一軒の農家で育てます。4月上旬に種を落とし、芽が出て、ある程度育ったところで生産者に配ります。収穫はハウスで4月中旬から5月中旬、露地ものは5月初旬から6月までです。とはいえ、実はアスパラガスは植えてから1、2年目は一切収穫しません。3年目に1週間だけ収穫して、あとは自由に茎を伸ばしておきます。

3年、寝かせるんですね!

近藤さん
はい。4年目から本格的に収穫します。早くから採ると、根が育たず、長く使えません。
しっかりとした根付きが、10年以上にわたる収穫と品質の土台となります。この畑は、7年もの、5年もの、3年ものとエリアが区分けされています。

アスパラガスって、
1株から何本もとれるのですね!

近藤さん
株から芽が伸びて23センチになったら収穫します。1つの株から何本も芽が出てくるので、何回とれるのかわからないぐらいです。

豊かな大地がアスパラガスを育てる

雪を使って、土にパワーを充電する?

近藤さん
冬場は雪のため作業はお休みだけど、春先には茎刈があります。収穫後アスパラの茎は、人間の背たけぐらいまで伸びるのですが、そのままにして雪の重みで倒れるのを待ちます。栄養を蓄えたままにしておくのです。春先には茎は枯れていますが、これを全部草刈り機で刈って、1ヵ所に集めて燃やします。毎年、4月15日頃ですね。

収穫できるのは長さ23㎝以上のもの

農薬は、どのように役立っていますか?

近藤さん
美瑛のアスパラガス農家は、土づくりにこだわりがあります。4月の下旬に肥料の窒素を少し入れて、除草剤を撒きます。除草剤を使うことで、雑草に邪魔されずに、土の養分をしっかりアスパラガスに供給できます。農薬のおかげですね。あとは収穫後の7月末に殺菌剤、お盆前後にヨトウムシなど害虫対策で殺虫剤を使って、次の年に備えています。

アスパラガスは鮮度!
だから、テキパキ作業します

わー、すごい活気。ここが集荷場ですね。

JA川崎さん
場内の4カ所で、集まったアスパラガスの長さを21センチに揃え、太さを選別し、結束する作業をしています。M、L、2Lサイズの3種類です。2Lサイズの太めのアスパラガスはギフト向けで、やや品薄状態です。年々ギフト需要が伸びているのは、固定ファンが増えている証拠ですね。

本日の収量は100コンテナ、約9トン

ピーク時には、100人態勢ですか!

JA川崎さん
今日は80名ぐらいですが、これから徐々に増えてピーク時には100名を超えますね。アスパラガスで集荷場がフル稼働するのは、5月10日~6月末の2か月弱です。ちなみに今日の収量は100コンテナだから約9トンですね。多い時は20トンになります。

目視で、品質をチェック

全国ネットの大手スーパーと契約

JA川崎さん
JAびえいは、大手スーパーの商品を主に扱っていて、市場への出荷はあまり多くありません。契約先が決まっている分、安定した運営ができますね。地元向けには、美瑛選果という直営店があり、観光客の方にもご愛顧いただいています。美瑛選果ではネット販売もしています。

春の大地の力がギュッと詰まって

とってもオシャレな直売所ですね!

JA川崎さん
美瑛産の採れたてを直販しています。ショップの隣には地元産の小麦で作るパン工房も。フレンチの厨房も、パン工房もガラス張りになっていて、作業が見える工夫をしています。海外からの観光客にも好評で、全国の市町村からの視察が絶えません。

ショーケースのようなモダン建築

農家さんとJAさん、ナイスチームですね!!!

JA川崎さん
美瑛には全国でも有名な農産物と、美しい丘という観光資源があります。この二つをコツコツと結びつけることで、観光客の皆さんに喜んでいただいています。Iターン就農する若い人が増えたのも、そんな努力が実を結んだから…というか、小さい頃から育った美瑛が、みんな好きなんじゃないでしょうか。

思わず買って帰りたくなる

近藤さん、大好きなアスパラガスの食べ方を教えて!

近藤さん
僕は、シンプルに茹でて、マヨネーズで食べるのが一番美味しいと思います!収穫から日数をおかずに、できるだけ新鮮なうちに食べてください。時間がたつと甘みがとんで味が落ちちゃいますから。美瑛のアスパラガスは毎日食べても飽きませんよ。アスパラガス農家の僕が言うのだから、間違いありません。

アスパラガス畑をバックに、はいチーズ!

JAびえいのアスパラガス

JAびえいのアスパラガス
日本のアスパラガス栽培発祥地であり生産量日本一の北海道。美瑛町は生産量400トンを誇り、北にある名寄市と道内トップの座を競っています。もともと美瑛はホワイトアスパラの缶詰の加工工場があったところ。「ホワイトアスパラガス」は、「グリーンアスパラガス」と同じもので、土をかぶせて光を当てずに栽培したものです。一般的な野菜と違って、アスパラガスは株が根付くまで数年かかり、その後、春に伸びる芽を収穫します。しっかりとした根付きが、数年にわたる収穫と品質の土台となります。美瑛町では土作りに力を入れると同時に、春の寒暖差の大きな内陸気候を生かして、甘くて美味しいアスパラガスを生産しています。
アスパラガス 栽培スケジュール
アスパラガス 栽培スケジュール
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