農林水産省の統計によると、2005年の日本の食料自給率は供給熱量ベースで40%、残りの60%は海外から輸入された食品でした。食品の輸入の手続きは以下のようなものです。
輸入される食品は、食品衛生法第27条に基づき検疫所に届出が義務付けられ、適法な食品かどうか食品衛生監視員が審査や検査をします。港や空港に着いた輸入食品はまず保税倉庫に納められ、穀物、果物、野菜、種子、樹木などは、農林水産省の植物防疫官により植物検疫をうけ、有害病害虫が発見された場合は積み戻しや燻蒸処理がされます。家畜などの動物検疫も同様です。これが終わってから検疫所に送られます。
検疫所の食品衛生監視員は、食品等輸入届出書に記載されている輸出国、輸入品目、製造者・製造所、原材料、製造方法、添加物の使用の有無などをもとに、以下の項目について、書類上の審査をします。
そして、さらに検査の必要がある場合は、実際に食品の変色や異臭、表示の確認、必要に応じて試料をとって化学分析、細菌検査などがおこなわれます。
検疫所の食品審査に合格すると、税関に送られ税金を納めると輸入が認められ市場に出ることになります。
不合格の場合は輸入できず、廃棄や原産国に送り返されます。
このように、輸入食品のチェックは書類上の審査が主で、実際の食品を検査するのは一部です。2005年次の輸入届出件数および重量は、1,864,412件(前年比10.4%増)、33,781,652トン(前年比1.4%減)。このうちの10.2%にあたる189,362件が実際に検査されました。そして、935件が食品衛生法不適格となり、積み戻しまたは廃棄等の措置が行われました。うち農産食品が117件、8861トンでした。
違反の種類別にみると、残留農薬も含まれる「食品・添加物等の規格基準不適格」が最も多く640件、次いで「指定外添加物の使用等」が160件、「腐敗、変敗、カビの発生、毒魚の混入等」が146件、「器具、容器包装の規格基準不適格」が38件となっています。
検疫所の審査、検査を通り市場に出たあとでも検査はおこなわれます。全国の保健所や検査機関では、食品衛生法にもとづく市場からの食品の抜き取り検査を定期的におこない、食品添加物や残留農薬について調べています。これは国産・輸入をとわず店頭に並んでいるすべての食品が対象です。
厚生労働省では、この結果を全国集計していますが、2002年の結果では、輸入食品も含めて910,989件が検査され、そのうち基準値をオーバーしていたのは0.03%、国産品が0.02%、輸入品が0.03%でした。
基準値を超えた農産物は回収や廃棄などの処置がされます。
| 国産・輸入 | 検査数 | 検出数 | 基準を超える件数 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 件 | % | 件 | % | ||
| 国産品 | 868 | 0.44 | 27 | 0.02 | |
| 輸入品 | 2,414 | 0.34 | 83 | 0.03 | |
| 合計 | 910,989 | 3,282 | 0.36 | 110 | 0.03 |
(厚生労働省「食品中の残留農薬」)
参考文献
*食品衛生研究会『食品中の残留農薬Q&A』2001、中央法規
*梅津憲治『農薬と人の健康』1998、日本植防疫協会
*厚生労働省・輸入食品監視業務HP
*農林水産省「食料需給表」:供給熱量の構成の変化と品目別供給熱量自給率資料(平成16年)
(2007年2月)