農薬は安全?

農家への安全対策、使用状況の把握などについて

農薬でない除草剤もあるのですか。

農薬でない除草剤もありますが、農作物等の人が栽培・管理している植物がある場所では農薬登録されている除草剤以外は使用できません。販売者には、農薬でない除草剤には「農薬として使用できない」旨の表示が義務づけられています。

農薬でない除草剤もあります。使用者が農薬と誤解するような販売実態があるので、第156通常国会(平成15年)において、農薬に該当しない除草剤の販売者に対し、この除草剤を農薬として使用できない旨の表示が義務づけられました(農取法第二十二条)。また、平成16年6月11日施行の農水省令で、表示の方法について具体的に規定されています。

これは、除草剤と称した薬品が農薬の登録がないにもかかわらず、農作物等に使用されていることを厳しく取り締まるものです。同様に、使用者が登録のない除草剤を農作物等の栽培管理のために用いれば農取法第十一条違反となり、罰せられます。

人が栽培・管理している植物がある場所、例えば、芝地(ゴルフ場、公園、競技場など)や山林、また、花壇や植栽木が植わっている場所などでは農薬登録されている除草剤以外は使用できません。また、これに違反した場合には下記のような法的な罰則が科せられます。

「農薬販売の規制」表の拡大

農薬取締法による「農薬でない除草剤」とは

農薬取締法の改正により、農薬ではない除草剤を農作物等(注)に使うことは、法律違反となり、3年以下の懲役、あるいは100万円以下の罰金、場合によっては両方が科せられることになります。これは、農耕地だけでなく、家庭菜園や庭で使った場合も該当するため注意が必要です。登録されている除草剤と同じ有効成分が表示されていても、登録上の毒性や残留性等の審査を受けずに販売されます。使用者が農薬と誤解するような表示による販売があるので、間違って登録のない除草剤を購入しないよう十分な注意が必要です。

また、農薬ではない除草剤を販売する小売業者は、その製品の容器や包装に、「農薬として使用できないこと」を明記し、販売所や店舗にもその旨の表示をすることが義務づけられています(2004年6月より施行)。違反した販売者に対しては、前述の農耕地や農作物等に使った場合と同様の罰則が科せられることになります。

  • (注)農薬取締法が対象としている「農作物等」とは、栽培の目的や肥培管理の程度を問わず、人が栽培している植物すべてが含まれます。その植物の全部又は一部を収穫して利用する目的で栽培している稲、麦、かんしょ、ばれいしょ、豆類、果樹やそ菜類はもちろん、観賞用に栽培している庭園樹、盆栽、花き、街路樹、ゴルフ場の芝のほか、山林樹木も含まれます。
参考文献
*日本植物防疫協会『農薬概説』

(2019年10月)