農薬は安全?

農家への安全対策、使用状況の把握などについて

もし農薬を使っていて、具合が悪くなった時はどうすればよいのですか。

散布作業中や散布後に異常を感じた場合は、直ちに最寄りの病院で手当てを受けてください。その際には、的確な処置を受けるために、農薬の名称、取扱い量と時刻、発生状況などを正確に伝えてください。

農薬を取り扱う場合は、まず農薬の容器・包装のラベルに記載されている使用上の注意事項等を必ず守ってください。万一具合が悪くなった場合は以下の対応をお願いします。

誤って飲み込んだ場合や、皮膚への付着や目に入った場合には、直ちに医師の手当てを受ける事が大切です。飲み込んだ場合、農薬の種類によっては、吐き出させる処置がかえってダメージを大きくする事がある(ラベルにも記載)ので、医師の指示を仰ぐ事が重要です。また、皮膚に付着した場合は、応急処置として石鹸を使ってよく洗い、眼に入った場合は大量の水で洗い流します。医師にかかる際は、使用していた農薬の名前や取り扱った量及び時刻等を正確に伝える事が処置を早めるのに役立ちます。また農薬の容器(ラベルだけでも)を一緒に病院に持って行く事も役立ちます。

散布作業中や散布後に異常を感じた場合は、直ちに最寄りの病院で手当てを受けてください。急を要しない場合は、中毒に関する緊急問合せに365日応じてくれる、公益財団法人・日本中毒情報センターの「中毒110番」に連絡する方法もあります(一般市民専用電話(情報提供料:無料))。

大阪中毒110番(365日 24時間対応):072-727-2499

つくば中毒110番(365日 9時~21時対応):029-852-9999

医師にかかる場合でも、中毒110番に問い合わせる場合でも、すでに述べたように発生状況を正確に伝えることが的確な処置を受けるために重要です。以下がそのポイントです。

  • 農薬の名称(容器かラベルがあれば持参する)
  • 取り扱った量、濃度(希釈倍数)、場所及び時刻、保護具の着用状況
  • 異常の発生状況(散布中か、誤飲か、自殺目的か等)
  • 摂取・接触の経路(飲み込んだ、皮膚や目に浴びた、吸い込んだ、どのくらいの量を、等)
  • いま起こっている症状(症状の箇所・程度、意識の有無、けいれん等)

農薬工業会では、農薬中毒を起こした方が適切な処置を受けられるよう、医療従事者用資料として全国の病院などに冊子「農薬中毒の症状と治療法」を配付しています。また、日本中毒情報センターにも参考となる情報を提供しています。

参考文献
*日本植物防疫協会『農薬概説』
*緑の安全推進協会『農薬の適正使用と安全防除』1991

(2017年5月)