農薬はどうして効くの?

農薬の種類や成分、製造方法、
農薬が効く科学的な仕組みなどについて

「防除」とはどういう意味ですか。

農作物に悪影響を与える病害虫や雑草を防いだり除くことを言い、「病害虫防除」や「雑草防除」というように使われます。

辞書(広辞苑第6版)によると、「防除」とは『(1)わざわいなどを防ぎ除くこと。(2)農業害虫や病害の予防および駆除』とあります。農業関係に限った用語ではないのですが、現在ではもっぱら「病害虫防除」や「雑草防除」というように使われ、その他の意味ではあまり使われない言葉です。
防除の手段には、主に、化学的防除、耕種的防除、物理的防除、生物的防除などがあり、今日では、これらの防除手段を組合せ、総合的に行なうことが重要と言われております。

農業生産は経済行為ですから、防除にかかる費用・労力と防除によるメリット、たとえば収量や品質の維持向上による収入が見合わなければ、防除をする意味がありません。経済的で効率的な防除手段の一つが農薬の活用です。昨今の日本農業をとりまく厳しい状況のなか農業生産の現場でもコスト意識が一層高まり、より効果が優れ、使用方法が簡便で、安全性も高く、さらに価格的にも納得のいく農薬が要求されています。
現在では、病害虫防除に関する研究が進み、病害虫の発生程度と被害の関係や病害虫の発生条件に関する知識や情報が多く得られるようになり、それらの情報を利用して、きめ細かく病害虫の発生を予測して適切な防除を組み合わせて行なうという考えが、基本になっています。

参考文献
*岩波書店『広辞苑』2008第6版

(2017年6月)