教えて!農薬Q&A

自然や環境への影響は?

自然環境やその他生物に及ぼす影響などについて

Q. ゴルフ場は面積も広く、水源地の近くにあるところもあります。芝生をきれいにするのにも農薬をたくさん使っていると聞きます。ゴルフ場で使われた農薬が川、海を汚染しているのではありませんか。

  この問題が契機となり、飲料水や河川水の安全性を判断する基準として1989年(平成2年)に厚生省から水道水の暫定目標値が、また、環境省からゴルフ場農薬の暫定指導指針が通知されました。くわえてこれら水質の基準を達成するためのゴルフ場農薬使用の適正化についての通達が農水省から出されました。その結果、農薬の使用現場から飲料水までの水質の監視・指導体制が整い、農薬の適正使用が進んだことから、ゴルフ場農薬問題は解消されています。

 実質的には、各都道府県が制定している「ゴルフ場農薬安全使用要綱」に基づき農薬の管理をしており、現在は農薬が水質基準を超えて検出されることはなく、ゴルフ場で使われた農薬が水源や川、海を汚染しているという事実はありません。

■ ゴルフ場における農薬使用の適正化と水質調査結果について
 ゴルフ場で使用された農薬が河川や海を汚さないように、都道府県知事は「ゴルフ場農薬適正使用要綱」(防除指針、防除マニュアル)を定めており、ゴルフ場はこの要綱に則って芝生を管理することが義務付けられています。環境省はゴルフ場農薬による水質汚濁防止のための暫定指導指針を定め、ゴルフ場排水中の農薬濃度の指針値を公表しています(表)。2002年(平成14年)に指針値を超えた検出事例が1例認められますが、以降2006年(平成19年)までの 5年間に検出事例は認められておりません。水道水では、2003年(平成15年)以前の水道法に基づき実施された検査結果において、水質基準を超えた検出事例がなかったことから、以後水質基準項目から除外されています。
 尚、水道水に関しては、水道法に基づき水道事業体等に検査の義務が課されていましたが、農薬が水道水の水質基準を超えて検出されることがなかったことから2003年(平成15年)5月に「水質基準に関する省令」が改正され、農薬は水道水の水質基準項目から除外され、別途新たに水質管理目標設定項目として検査が続けられています。
■ ゴルフ場暫定指導指針対象農薬についての水質調査結果
年度 調査対象
ゴルフ場総数
調査対象 農薬数 総検体数
(A)
指針値超過検体数
(B)
指針値超過比率(%)
(B/A×100)
1990 1,455 21 46,016 10 0.0217
91 1,734 30 89,713 14 0.0156
92 1,783 30 110,701 7 0.0063
93 1,877 30 111,489 3 0.0027
94 1,898 30 106,895 1 0.0009
95 1,937 30 108,563 1 0.0009
96 1,984 30 102,846 1 0.0010
97 1,990 35 120,774 5 0.0041
98 1,907 35 112,683 2 0.0018
99 1,794 35 95,760 0 0.0000
2000 1,673 35 84,071 2 0.0024
01 1,526 35 78,184 0 0.0000
02 1,539 45 79,893 1 0.0013
03 1,233 45 60,858 0 0.0000
04 997 45 45,880 0 0.0000
05 833 45 35,687 0 0.0000
06 786 45 30,430 0 0.0000
07 754 45 27,365 0 0.0000

(環境省資料より作成)

参考文献
*日本埴物防疫協会『農薬概説』
*松中昭一『農薬のおはなし』2000、日本規格協会
*福田秀夫『農薬に対する誤解と偏見』2000、化学工業日報社
*杉本達芳『残留農薬のここが知りたいQ&A』1995、日本食品衛生協会
*化学工業日報社『農薬の話ウソ・ホント』1989

(2009年6月)

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