農薬工業会について

ニュースリリース

2019年賀詞交歓会を開催

 2019年賀詞交歓会を1月7日(月)12時半から、東京・千代田区大手町の経団連会館で開催した。出席者は会員各社の他、農林水産省などの関係省庁、(独)農林水産消費安全技術センター、農薬学会、関係団体、報道関係者など約360名となり、賀詞の交換や新年の抱負などが語りあわれた。冒頭、西本会長から挨拶があり、続いて来賓を代表し、農林水産省消費・安全局長の池田様から祝辞が寄せられた。

20190110_1.jpg

◆西本会長の挨拶

20190110_2.jpg

 新年明けましておめでとうございます。皆様には、ご家族ともどもお健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。新年早々のお忙しい中、農薬工業会の賀詞交歓会にご参加いただきましたことにお礼申し上げます。

 世界の農薬業界は、2015、2016年と2年にわたり続いていたマイナス傾向が2017年に歯止めがかかり、2018年上半期は数%の増加傾向となりました。背景には、米中貿易問題から派生して、中国の大豆輸入が南米にシフトし、南米農薬市場が急速に復活しつつあることも一因と推測されています。ご承知のように新たなメガ4社以外にも上位企業の統合が進み、世界の農薬業界では新しい時代を迎えました。

 一方、国内に目を向けますと、昨年は、豪雨、相次ぐ台風、地震等の災害が発生し、各地で大きな被害が出ており、適切な防除も困難なところもあったと存じます。また、水稲の作況指数は、全国平均98と「やや不良」となりました。

 このような状況で、農薬総出荷額は果樹及び野菜畑作分野が減少しましたが、その他使用分野の除草剤の伸びにより前年比ほぼ同額の100.1%となりました。地球温暖化などで気候条件が非常に極端になってきており、これは世界各地でも同様で、農業生産に与える影響が非常に心配されます。本年は、農家の皆様の防除意欲を削ぐような災害のないことを祈るばかりです。

 農薬行政では、昨年12月1日に農薬取締法の一部を改正する法律が施行され、再評価制度が2021年から始まることとなりました。また、登録時の農薬使用者及び生活環境動植物に対する影響評価の充実等は2020年4月1日に施行されます。農薬工業会といたしましては、農薬の安全性を一層確保することを前提に、防除に有効な農薬が農家に適切に提供されるように、関係府省と引き続き意見交換を進めていく所存です。

 総合的な農業生産コストの低減のために、ドローンの利用、活用も含めて、精密農業や農機の自動化を組み合わせたスマート農業などの新技術への期待が高まってきています。それらに対応し、現場ニーズに応えた農薬あるいは散布技術を提供することも、当業界の重要課題の一つと考えています。これらの新技術により労務費が削減され、農産物の付加価値向上にもつながり、最終的に農家の収入が増えることが大事だと思うからであります。

 世界の人口は現在の76億人から2050年には98億人に達する見込みです。一方で世界の耕地面積は、ここ数十年ほとんど増加しておらず、優良な種子の開発、かんがい設備の充実、肥料・農薬等の適切な使用により、単位面積当たりの収量を上げて食料供給を支えてきています。今後もこの傾向は同様と予想されています。

 一方、日本では、人口減少や高齢化が進行する中、食料の国内需要は減少が進んでいます。昨年発表された食料・農業・農村白書には、国内農業の持続的発展に向けては、国内需要だけを念頭においた農業生産から、世界需要も視野に入れた農業生産への移行が鍵とされています。

 省力化技術や質の高い農業資材の提供により、今後高品質な農作物生産を維持、増加する必要がありますが、その中で農薬の果たす役割は大きいと考えています。そのため、当会では将来ビジョン「JCPA VISION 2025」活動として、ここ数年「食料生産の重要性と農薬の役割」さらには「食料生産における農薬のイノベーション」について、会員各社従業員、農業者や農薬流通の方々、アカデミアなどの各方面への情報発信を積極的に行っています。

 2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」は、国際機関、各国政府、地方自治体をはじめ民間企業、NGOなどの共通言語となって参りました。SDGsには17の目標があり、農薬は、農作物の収量・品質の確保により目標2「飢餓をなくす」や、農業の効率化を支援することで目標8「働きがいも経済成長も」に貢献します。また、農薬産業が新たな製品や技術を創出することは、目標9「産業と技術革新の基盤をつくる」に貢献します。その他緑の豊かさや人々の健康を守ること等々、我々は持続可能な社会をつくることに大いに貢献できると考えており、先に述べた情報発信のなかでも強調しているところです。

 本年も、SDGsも踏まえて、当会のビジョン活動を着実に実行することで、持続可能な社会への貢献に引き続き努める年にしたいと思います。皆様方の引き続きのご支援、ご指導よろしくお願い申し上げます。

 最後になりましたが、本日ご参加いただきました各団体、会員各社の益々のご発展と、ここにご列席の皆様方のご健勝、ご活躍をお祈り申し上げますとともに、新しい年が明るく充実した年となりますよう祈念いたし、私の挨拶とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。