一般向け

農薬ゼミ

知ってるようで知らない、農薬の話。(茨城)

講座プログラム

開催日時

:2016年11月12日(土) 13:00~15:30

第一部

:「農薬とは何?」
(解説者:浅見 忠男 先生)

第二部

:「農薬の安全性」
(解説者:青山 博昭 先生)

参加者

:172名

今回のお話は、この方たちと。

  • 浅見 忠男 先生の写真

    【パネリスト】
    東京大学
    農学生命科学研究科 教授
    農学博士
    浅見 忠男 先生

  • 青山 博昭 先生の写真

    【パネリスト】
    (一財)残留農薬研究所
    理事 毒性部長
    農学博士
    青山 博昭 先生

  • 藤田 益弘 さんの写真

    【生産者】
    JA北つくば
    きゅうり選果場部会
    部会長
    藤田 益弘 さん

  • つくば国際会議場 多目的ホール

    【会場】
    つくば国際会議場
    多目的ホール

【司会】 フリーアナウンサー 松田 朋恵 さん

  • 質疑
    応答
  • 参加者
    の感想

こんな質問がありました

Q無農薬栽培は登録していない農薬を使った場合でも無農薬と言えますか?そもそも登録していない農薬が市販されていますか? 
<60代男性>

A

浅見先生の写真(小)

浅見先生

無農薬とは言えません。そもそも登録されていない農薬は、市販されていないはずです。たとえば農薬と同じような効果があるものを使っているとしたら、その時点で農薬取締法違反になります。犯罪の部類に入ると思います。登録されていないものを使っているとしたら、それは無農薬とは言えませんし、安全性が確認されていない農産物だと考えてください。

Qさまざまな食物を食べることで、安全と言われる農薬の量であっても、相互作用などで害になることはないでしょうか? 
<40代女性>

A

青山先生の写真(小)

青山先生

これは複合影響と言われる問題で、今、国際的にも熱い議論が交わされているジャンルです。まだ理論的な段階ですが、微量の残留農薬を複数摂取しても、1日あたりの許容摂取量には、大きな余裕があるとされています。現実の生活の中で、心配する必要はありません。問題はほとんどないと思います。

Q耐性に慣れて、さらに強い薬が必要になるという心配はありませんか? 
<60代女性>

A

藤田さんの写真(小)

藤田さん

農薬に害虫や病気の耐性ができることはあります。それに対応するために、農家では系統の違う農薬をローテーションで使用しています。また、他の農薬と混ぜるなど使用方法を工夫しています。近年は農薬が大きく進化し、よい薬が出てきています。これらの優れた農薬を、使用回数をきちんと守って、効果的に使っていくことが大切だと考えています。

Q無農薬でリンゴを作った、木村秋則さんの「奇跡のリンゴ」の話は本当でしょうか? 
<50代男性>

A

浅見先生の写真(小)

浅見先生

直接、お話を聞いてないので確かなことはわかりませんが、おそらく木村さんは長年研究をされて、しかも膨大な手間をかけてリンゴを作っているのだと思います。普通の農家さんは簡単に真似ができません。ただ収量に関しては、まわりのリンゴ農家と比べると極端に少ないと思います。だからこそ「奇跡のリンゴ」と呼ばれているのだと思います。

Qポジティブリスト制度とはなんですか? 
<50代男性>

A

青山先生の写真(小)

青山先生

現在のルールがポジティブリスト制度と呼ばれるもので、以前はネガティブリスト制度でした。ネガティブリスト制度では、国内登録農薬の登録対象作物だけに残留基準値をリスト化し、分析していました。従って国内登録農薬の対象となっていない作物や、海外で登録がある農薬で国内登録のない農薬は残留基準値がなく、分析されていませんでした。これがポジティブリスト制度へと代わり、国内登録、海外登録に係わらず全ての農薬の全ての作物に残留基準値を設定し分析する、というポジティブなルールに進化しました。ポジティブリスト制度の方が、圧倒的にリスク管理がきめ細かく、安全性が高い、と理解していただければと思います。

Q農薬の使用時期として「収穫の◯日前まで」とありますが、この期間に農薬の影響は全くなくなるのですか?またそれはどのような理由ですか? 
<60代男性>

A

浅見先生の写真(小)

浅見先生

すべての農薬は、光分解あるいは植物体内での代謝によって、どのくらいの時間で影響がなくなるかの試験が行われ、詳細なデータが蓄積されています。農薬の使用時期の「収穫の◯日前まで」の表記は、そのデータを元にした、農薬を適正に使うための使用基準です。決められた量を、時期を守って使うことによって、農産物の安全性が確保されているのです。

参加者の感想

それぞれの分野の専門家の人たちが熱心に研究されて安全が得られていることがわかりました。
(女性、50代、専業主婦)

専門家の先生と生産者双方の話が聞けて有意義でした。
(女性、60歳以上、その他)

パンフレットと映像の両方が使われていて、とてもわかりやすく、頭の中に入ってきました。農薬は、たくさんのチェック機能によって安全が担保されていることがわかりました。
(女性、50代、パート/アルバイト)

すごく納得できたゼミでした。参加してよかったです。料理教室の生徒さんにも伝えていこうと思いました。
(女性、40代、自営業/自由業)

食に対する不安感が少しやわらいだ気がします。
(女性、60歳以上、パート/アルバイト)

農薬は、とても必要だと思いました。農薬に対する抵抗が少し減ったことがよかったです。
(男性、40代、会社員/公務員)

農薬を研究している人たちから実際にお話を聞くことができ、毒性についての試験がたくさんあると知り、少し安心できました。参加してよかったです。
(男性、10代、学生)

司会者とパネリストの方々とのQ&Aの形式のお話が大変わかりやすかったと思います。また、用意された資料にメモ欄があり使いやすかったです。
(女性、50代、専業主婦)

畑で野菜を作り、具体的に学んでいきたいと思いました。子どもたちに美味しい安全な野菜を食べさせたいと改めて決意しました。
(女性、50代、専業主婦)

参加させていただきありがとうございました。託児コーナーもあったため子育て中の私でも参加することができました。これから子どもにも安心して農産物を食べさせることができます。
(女性、30代、パート/アルバイト)

ゼミの参加者が意外に多いことに驚いたが、それだけ関心があるのだと思いました。
(男性、40代、会社員/公務員)

今回のお土産

今回のおみやげ 「地元農産物とオリジナル中濃ソース」

よくある質問

農薬工業会では、消費者の皆さんに農薬のことを理解してもらうため「農薬ゼミ」などを開催しています。
そこでは毎回様々な質問が寄せられています。その中から、「よくある質問」についてお答えします。