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農薬ゼミおさらい講座

関西支部主催:広島で「農薬ゼミ」を開催

広島で「農薬ゼミ」を開催

農薬工業会関西支部では11月8日(火)、広島市の「JAビル多目的ホール」において、主婦を中心とした消費者など約400名を対象に、農薬の役割、人の健康や環境への影響、食の安全性確保など、農薬についての正しい理解の向上を目的としたゼミナール“お母さん、知って安心、家族も安心 やさしい「農薬ゼミ」”を開催しました。

この「農薬ゼミ」は、従来、農薬工業会本部が行ってきたものとは別に平成17年から支部主催で開催しているもので、本年度1回目(通算で25回目)の開催となりました。また、従来通り植物防疫関係8団体が共催したほか、広島県果実農業協同組合連合会、全農広島県本部、広島県植物防疫協会、全国農薬安全指導者協議会、広島県農薬卸商業協同組合が後援しました。

近年、食の安全・安心、健康志向の高まりの中で消費者の農薬への関心が非常に高くなっています。そこで、「農薬ゼミ」では主としてお母さんを対象に、松田朋恵フリーアナウンサーの司会で進め、2人の専門家(島根大学の山本廣基学長、残留農薬研究所の寺本昭二理事長)が農薬についてやさしく解説し、楽しく学んでもらいました。また、生産者を代表して尾道市在住の長畠耕一さん(広島県果樹研究同志会会長)にも登場してもらい、果樹(柑橘類)栽培の苦労話や農薬の適正使用の実態などを紹介してもらいました。

最後にゼミのまとめとして山本学長は、「食の安全とは、食べものが必要量確保できていることである。現在、日本の食料自給率は40%と低く、今後も食料を安定的に確保するためには農薬を適正に使用し、食料生産を維持していくことが非常に重要である。現在の農薬は、考えられる最高水準の知識技術で安全性が確保されており、やたらと不安感を募らせる必要はない。農薬を含めた化学物質全体のリスクというものは、リスクがあるかないかではなく、大きいか小さいかで判断されるべきものである。農薬がどうのこうのと言うより、日本の農作物を毎日、バランスよく適量に食べることが安全、安心、健康につながるのではないか」と結び、大盛況のゼミナールは閉会しました。

質問コーナーに対する回答

関西支部主催:広島で「農薬ゼミ」を開催

■質問コーナーに対する回答

 参加者から、「キャベツやレタスを水洗いした際、油状のものが浮くことがあるが、これは農薬ではないか」 との質問がありました。この質問に対し、以下の通りお答えします。

 植物(作物)は固定した場所で生育していますから、外敵(害虫や病原菌)及び環境変化に対抗するため様々な方法を備えています。
 キャベツは、葉の表面をろう物質で覆い自分の身を守っています。このろう物質は、キャベツ自身から出る代謝産物で、その主成分は脂肪族炭化水素です。乾燥状態が続いたりすると特に多く見られるようです。似たような事例として、レタス、ブロッコリー、カリフラワー等を水洗いした際にも同様な灰白色の浮遊物が見られます。
 また、りんご、ぶどう、きゅうり等においても同じ目的をもった白い粉(ブルームといわれる)が見られるのはよく知られています。食品の安全という視点から農薬ではないかとの問い合わせがありますが、これらの物質は農薬ではありません。

農薬ゼミ - よくある質問

農薬工業会では、消費者の皆さんに農薬のことを理解してもらうため「農薬ゼミ」などを開催しています。
そこでは毎回様々な質問が寄せられています。その中から、「よくある質問」についてお答えします。