農薬情報局

くらしと農薬

「いつものとおり」調理して下さい

多くの研究報告の中から、洗浄・調理による農薬の減少効果について、最近の実験結果の概要を紹介しています。

主婦の皆さんから「野菜や果物への農薬の残留が気になります。
家庭でもできる農薬を落とす方法はありませんか」と質問をいただくことがあります。 そのようなおたずねには、「たとえ残っていても、
健康に影響を及ぼすような量ではないので、ご心配には及びません。
そのうえ洗ったり熱を加えたりすれば、さらに減ってしまいますから、
料理の腕をふるっていただくのが最もよい方法です」とお答えしています。

キャンプ

てる子さんと大地くんはやっとキャンプ場に着きました。
さっそく夕食の準備です。
お手伝いしながら大地くんが聞きました。

「途中、畑で農薬をまいてたよ。農薬を使った野菜って大丈夫なの」

「農薬はまいた後どんどん減って、収穫する時には
ほとんどなくなってしまうんですって。
それに、きれいに洗って皮もむくでしょう」

「ピーマンやニンジンは?」

「ピーマンやニンジンも同じだと思うわ。
炒めたり煮たりなんかもするしね・・・。
あ?大地、ニンジン入れて欲しくないからそんなこといってるんでしょう。
好き嫌いの多いのが一番いけないんだよ」

皮をむいたり、揚げたりすれば
 テレビなどで紹介されているとおり、水洗いしたり調理をしたりすれば農薬は減らせます。多くの研究報告がありますが、武庫川女子大学薬学部の伊藤教授のグループがおこなった最近の実験の概要をご紹介します(注)。
 実験では、野菜や果物にわざと農薬を添加して、「水洗い」「ゆでる」「皮をむく」「揚げる」「炒める」により、どのくらい農薬が減少するかをみました。グラフは結果の一部です。数字は、たとえば「揚げる前」の農薬の量を100として、「揚げた後」に残っている農薬の割合を示しています。
 普通、野菜や果物は調理前や食べる前に水洗いしますが、それだけでもある程度減らせます。また、農薬は作物の表面に付着することが多いので、これも皮をむけばほとんど取り除けることがわかりました。調理法で効果が大きかったのは油で揚げることです。高温のため農薬が気化したり分解するためと考えられます。炒めた場合はやや効果が落ちました。ゆでてもかなり減らせました。
安全に安心が加わります。
 いま日本で使われている農薬は安全性が厳しくチェックされています。さらに使い方も、人の健康に影響が出ないよう工夫されています。国や自治体の調査結果からも明らかなように、作物から農薬は検出されないか、検出されてもごくわずかです。実際、野菜や果物をそのまま食べても健康への影響は考えられません。しかし、よく洗って土や汚れをとるのは衛生上からも当然ですし、お料理の仕方を工夫すれば豊かな味の世界が広がります。
 すでに安全性は確保されていますが、洗浄・調理により農薬の残留がさらに減少することを知っていただければ、安心という調味料が加わり、一層おいしく野菜や果物を召し上がれるのではないでしょうか。

水洗い

ゆでる

皮むき

揚げる

炒める

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