農薬情報局

くらしと農薬

「豊かさ」を支えている農業

世代交代している農薬について紹介し、農業技術の重要な柱である農薬の役割を説明しています。

私たち日本人はかつてないほど豊かな食生活を楽しんでいます。
バラエティに富んだ野菜や果物、そしてお米などの農作物が多くの農業技術により 安定して生産され、食卓に届けられるのです。
その重要な柱に農薬を利用した病気や害虫や雑草の防除対策があります。

サラダ

とある日曜日のおひるごはん。てる子さんは、大地くんの
大好きなトマトやレタスをたっぷりつかった野菜サラダをつくりました。

「わーい、大好きなサラダ!」

大地くんは大喜び。でも、一口食べたあと、
サラダを前になんだか考え込んでいます。

「どうしたの?おいしくない?」

「おいしいよ、でも、この野菜、農薬つかってるんでしょ」

「うん、たぶん。でもどうして?」

「聞いたんだ。農薬ってあぶなくないの?」

てる子さんもちょっと腕組みです。わたしもサラダ大好き。
毎日食べるおいしいサラダが、あぶないなんてそんなことあるのかしら…。
サラダと農薬の関係なんて、考えたことなかったなぁ。

「きっと、大丈夫。食べおわったら、あとで調べてみよ」

今日の午後は農薬のお勉強です。

30年前に姿を消したDDT…
 農薬というと、とかく不信の目で見られがちです。DDT、BHCなどが使用後もなかなか分解せず、作物や土壌中に残留し、魚や鳥などの体内に蓄積することが判明、わが国では使用を中止した、という1960年代の出来事の印象が強いためです。
 しかし、このにがい経験が農薬の世代交代を促しました。効き目だけでなく、残留性、つまり食品の安全性と環境への影響を重視した新しい世代の農薬が登場することになったのです。こうして、DDT、BHCなど初期の薬剤の多くは姿を消していきました。
 現在は、環境への影響が少ない、より安全性の高い農薬が使われています。毒性が低い、分解されやすく蓄積しにくい、病気や害虫、雑草にだけよく効く、投下量が少ないなどが特徴です。昆虫フェロモンも活用され、天敵などの生物農薬も実用化されました。
生態系との調和
 環境への影響にも配慮して、いま農業そのものが変わりつつあります。農薬の使用については、病気や害虫をまったくなくすのではなく、経済的に受け入れられる範囲内に被害を抑えればよいという考え方に沿い、効き目が確実で天敵に害を与えない農薬の開発が進んでいます。
科学の進歩は、常に新たな問題を提起します。農薬の開発にあたっても最新の研究成果を取り入れ、時代の要請に応える努力を今後も続けます。
大きい役割
 農村人口の減少や高齢化、農地の減少により日本の食糧生産基盤は弱体化し、食糧の多くを輸入に頼っています。日本の食生活を維持していくためには約 1700万haの農地が必要ですが、国内にはのべ500万ha。日本は国内の2倍の農地を海外に頼っていることになります。
しかし、気候変動や人口の急増により世界的な食糧不足が懸念され、このまま輸入を拡大し続けることには多くの問題があります。国内だけでなく世界の食糧生産力を向上させ、食糧を安定して供給するには、農業技術の重要な柱、農薬の役割は大きいと考えます。

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